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ブロードウェイ・ミュージカル 「マイ・フェア・レディ」 シアトル公演

2018年春、25年ぶりにニューヨークのリンカーン・センター内ビビアン・ビューモント・シアターで上演された「マイ・フェア・レディ」のリバイバル公演がついにシアトルへ! 最優秀リバイバル・ミュージカル賞を受賞し、『ニューヨーク・タイムズ』でも絶賛された注目作を鑑賞しました。

異例の寒波に見舞われた年の瀬。積雪の影響でキャストの到着が間に合わず、初日が休演になるというハプニングもあったが、振替公演が追加されひと安心。翌々日、雪が舞う中、パラマウント・シアターへ向かった。「マイ・フェア・レディ」と言えば、オードリー・ヘップ・バーン主演の映画版(1964年)が広く知られているが、もともとはミュージカルが原作なのをご存じだろうか?

リバイバル版では、7回のトニー賞受賞経験を持つバートレット・シェール氏が演出を手掛け、話題になった。また、今回の北米ツアーで主演のイライザ役を射止めたエジプト系アメリカ人のシャーリーン・アーメッドさんは、ブロードウェイ(ニューヨーク)とウエストエンド(ロンドン)史上初めて、有色人種の女性としてこの役を演じる。

© 2019 Joan Marcus
マナーを身に付け、宮殿の舞踏会で脚光を浴びる貴婦人姿のイライザ

物語の舞台は20世紀初頭のロンドン。花売りの貧しい娘のイライザが、言語学者のヒギンズ教授の指導によって下町なまりを克服し、社交界の華へと成長していくシンデレラストーリーだ。背景にはイギリスの階級社会に対する風刺があり、女性の社会進出に込められたメッセージ性も垣間見える。イライザが発音を矯正するために歌う「The Rain in Spain」(スペインの雨)は特に印象的だ。

© 2019 Joan Marcus
劇場から出てきた紳士淑女に花を売り歩く貧しい姿のイライザ

ヒギンズ邸内の場面転換は360度のターンテーブルで魅せる。らせん階段がある広く豪華な書斎のシーンをメインに、バスルーム、イライザの部屋、玄関と、場面ごとにくるりと回りながら流れるように物語が進む。

3時間と長丁場の芝居だが、見どころはたくさん。100年前に書かれたとは思えず、新鮮さすら感じた。

本田 絢乃
大阪府出身。2021年3月より、夫の赴任によりシアトルへ帯同。東京で約10年、ファッションPRの仕事に従事していた。趣味はカフェ巡り、バレエ鑑賞、アート。