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第6回 「成人式USA」の開催〜特別レポート

第6回 「成人式USA」の開催

取材・文:フォーリー由香

1月19日、JIAファウンデーション在シアトル日本国総領事館の共催により「成人式USA」が盛大に開催されました。会場となったのはベルビューのメイデンバウワー・センター。多くの在米新成人が参加し、華やかな振袖姿や袴姿で新たな門出を祝いました。

2020年から始まった本式典は、今年で第6回を迎えた。対象者は2003年から2005年生まれの新成人。国籍や人種、日本語能力を問わず、式典はすべて英語で進行された。先着150人の定員は満員に達し、当日は新成人をはじめ、保護者や関係者を合わせ、およそ300人が集まった。

© David Yamaguchi

ワシントン大学の太鼓会が力強い演奏を披露

ドレスやスーツを凛と着こなす姿が多く見られる中、着物に身を包んだ参加者がひときわ目を引いた。振袖や袴、浴衣を着ている人もいて、それぞれの個性が際立っていた。会場に早めに到着して着付けを済ませたり、事前に美容室で髪のセットと着付けを1時間ほどかけて整えたりと、特別な装いで臨む新成人たちが集い、会場全体が華やかな空気に包まれた。

集合写真は全員が前列に立てるように入れ替わりながら撮影された

プログラムは琴や太鼓の演奏、スピーチ、参加者全員による合唱や成人証書授与と、充実した内容。日本の文化に馴染みのない参加者にも配慮し「成人」という言葉の意味や「成人式」の歴史・意義ついて丁寧な説明がされた。また、振袖や羽織袴については、デモンストレーションを交えて解説がされ、日本の伝統を改めて深く学ぶ機会となった。

新成人代表のスピーチは、ソフィア・パレルモさんと伊藤 海さんが登壇。「あきらめずに自分を信じて夢を追うこと」「つらいときには誰かに助けを求める強さを持つこと」をテーマに語った。その言葉は、共感や励ましの言葉として同世代の心に響いたに違いない。さらに、シアトル日米協会のリサ・マリア・ダキーラさんと在シアトル日本国総領事館の角 潤一首席領事が将来を担う若者たちに向けて期待と励ましの思いを込めた温かいメッセージを送った。

© David Yamaguchi

左から、司会はピュージェット湾公共ラジオ局「KUOW 」に勤めるナタリー・ニューカムさん。スピーチを行った伊藤さんとパレルモさん

© David Yamaguchi

成人証書に筆で名入れされるのを待つ新成人たち

成人証書を受け取った新成人たちに感想を尋ねると、「とても良い式だった」「先輩たちのスピーチが心に沁みた」「友だちがスピーチをする姿を見られて嬉しかった」など、互いの門出を祝う笑顔であふれていた。式は終始和やかな雰囲気で進行され、参加者同士の会話も弾み、特別な一日を共有する喜びが感じられた。

「成人式USA」は今後、隔年開催となるため、第7回は2027年に開催予定だ。

JIAファウンデーション代表いじりめぐみさんより

JIAファウンデーションはボランティア運営の小さなNPO団体です。そのため、「成人式USA」のような大規模なイベントを開催するのは決して容易ではありません。それでも、コミュニティーの皆さんの協力に支えられファンドレイジングから当日の運営まで、多くの方々の尽力によって実現しています。

「成人式USA」は、日本の成人式を単に再現するのではなく、英語で開催し、アメリカで育った日本人・日系人、そして日本に関心のあるアメリカの新成人誰もが参加できる式典です。このイベントを通じて、彼ら・彼女らが自身のアイデンティティーに誇りを持ち、アメリカ社会で力強く羽ばたいていけるよう、「これからも頑張って」「みんなで応援しているよ」という思いを込めて、日系コミュニティーが温かく祝福する場を提供したいと考えています。ぜひ、次回の「成人式USA」で一緒にボランティアとして参加しませんか?