特別レポート
〜イチローさん、
マリナーズ球団殿堂入り！〜
2001年のシアトル・マリナーズ加入以来、前人未到の活躍をし、2019年3月21日に現役を引退したイチローさんが史上10人目となる球団殿堂入りを果たしました。8月27日に本拠地のTモバイル・パークで行われた殿堂入り式典の模様をお伝えします。
取材・文：ジェジュン・ジョン
式典には豪華メンバーがそろった。イチローさんの妻、弓子さんを筆頭に、長らく通訳を務めてきたアレン・ターナーさんとその家族、マリナーズのレジェンドたちがスペシャルゲストとしてイチローさんを囲んだ。イチローさんの「弟子」と言うべき次世代スター、フリオ・ロドリゲス選手からの花束贈呈で会場は大盛り上がり。また、マリナーズ関係者以外に、ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手や大谷翔平選手、日米で活躍し昨年引退した松坂大輔さんらからもビデオメッセージが届いた。
そして、18分半にわたるイチローさんからの英語でのスピーチ。特に現役選手たちへの励ましは感動ものだった。この後に試合を控え、ベンチ内で見守っていたマリナーズ選手が目を潤ませる場面も見られた。スピーチの締めくくりとしてファンへのメッセージもあり、大きな拍手に包まれた。式典の様子は公式YouTubeチャンネルから視聴できる（www.youtube.com/watch?v=5lW6m98u7CA） 。イチローさんの歴史に残るキャリアの1ページとして刻まれるであろうスピーチ映像（www.youtube.com/watch?v=fgossI-oZII）も必見だ。
イチローさんのスピーチより（一部抜粋、意訳あり）
選手たちへ。君たちの未来は、自分では想像できないほどのものになる可能性があります。そのためには、限界を設けずに自分のベストを尽くすことです。私のように日本から来た小柄で細い男でも、このユニフォームを着て戦い続け、今日この場で殿堂入りという名誉を受けることができたのですから、君たちにそれができない理由はありません。もちろん、これから多くの困難が待ち受け、壁にぶち当たることもあるでしょう。私も毎年経験してきたのでわかります。そんなときでも限界を設けずに、これらを乗り越えてやるんだという意欲と情熱を引き出すべきです。それがポテンシャルを最大限に発揮し、考えられないほどの偉業を成し遂げる力となるのです。
ファンの皆さんへ。21 年前、私をチームの一員として受け入れ、大きな声援を送ってくれましたね。その大歓声はいつまでも止むことがありませんでした。2018 年にここに戻って来た時も、あたかも私がここを離れたことがなかったかのように、温かく迎え入れてくれました。そうしたファンの皆さんの情熱に触れ、心打たれた経験は、私のキャリアの中でも最高の思い出です。当時の感情を忘れることはないでしょう。皆さんのために、マリナーズの選手としてプレーし続けられたことは、私にとって最大の名誉です。これからもファンの皆さん、そしてマリナーズのために全力を尽くしていきます。ありがとうございました。
