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メジャーリーグの超一流選手が集うオールスターがシアトルで開催!〜特別レポート

メジャーリーグの超一流選手が集うオールスターがシアトルで開催!

ファンと選手の投票によって選ばれるスター選手が一堂に会し、アメリカン・リーグ、ナショナル・リーグに分かれてチームを組んで戦うオールスターゲーム。22年ぶりに開催地となったシアトルは、試合前から大盛り上がりでした。

取材・文:ジェジュン・ジョン

シアトルのファンたちが大谷選手にラブコール

開場は午後2時、試合開始は5時と、通常の試合よりかなり早めのスタート。2時半頃、Tモバイル・パークに着くと、すでに3割くらいの席が埋まり、チーム・ストアは限定グッズを買う人であふれ返っていた。

推し選手のユニフォームを着込む観客もたくさん。シアトル・マリナーズ所属の次世代スター、フリオ・ロドリゲス選手のものが圧倒的に多い印象だ。シアトルのファンからの期待の高さがうかがえる。われらが大谷翔平選手のユニフォームも一定数見受けられ、オールスターやロサンゼルス・エンゼルスほか、侍ジャパン、北海道日本ハムファイターズ時代のものまであった。

フィールドでは4時まで打撃練習が行われていた。柵越えの本数が驚異的で、さすがはオールスターとうなる。4時半になると球場内は一気に混み合い、飲食店はどこも長蛇の列。そして、いよいよ試合前のセレモニーが始まった。

大谷選手は指名打者として先発出場第2打席は四球その後ベンチに下がった

外野中央後方からレッドカーペットが敷かれ、各球団の代表選手が続々と入場。前日のホームランダービーで優勝した、トロント・ブルージェイズ所属のヴラディミール・ゲレーロ・ジュニア選手や、前述のマリナーズ、ロドリゲス選手の登場時は歓声がひと際大きく響いた。日本人選手では、ニューヨーク・メッツ所属の千賀滉大選手もオールスターデビューを果たした。

やはり大谷選手の注目度は桁違いで、早速「Come to Seattle」の大合唱。今シーズン途中のトレード、またはオフでの移籍が予想される大谷選手に、少しでも影響を与えられれば……。そんなシアトルのファンたちによる異例のエールに、球場が沸いた。試合直前には、佐々木主浩氏やケン・グリフィー・ジュニア氏など、オールスター出場経験を持つマリナーズのレジェンドたちが現れ、一大イベントに華を添えた。

試合は手に汗握る接戦

夏の野球観戦には冷たいビールが欠かせない

オールスターゲームは公式戦の扱いにはならない。選手はそこまで本気で取り組まないのでは、と思う方もいることだろう。だが、実際に足を運ぶと、そんな心配は杞憂だとわかる。

1回表では、いきなり外野手が連続スーパーキャッチを見せつけた。レフトを守るタンパベイ・レイズ所属のランディー・アロザレーナ選手は、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のメキシコ代表として大活躍した。お決まりの好プレー後の腕組みポーズに観客は大興奮。

試合前の打撃練習の様子をバックネット裏からメディアの数も普段の3倍以上で特別な空気感が漂う

1回裏には、大谷選手が2番打者でバッターボックスに立った。すると、またもや「Come to Seattle」の連呼に。結果は空振り三振に終わったが、観客たちはプレーを見られて満足気の様子だった。

今回手に入れたのは3階席のチケットちなみに1階席は1000ドル超えのプレミアム料金だったがほぼ満席に

試合が動いたのは2回裏。タンパベイ・レイズ所属の三塁手、ヤンディー・ディアス選手の柵越えのひと振りで、アメリカン・リーグが先制した。4回表には、地元マリナーズで活躍中のジョージ・カービー投手が登板も、マイアミ・マーリンズ所属のルイス・アラエズ選手のタイムリーヒットで試合を振り出しに戻されてしまう。オールスターでは、基本的に投手は1イニングずつ担当するが、大量失点をした投手はおらず、非常に引き締まった試合となった。

6回裏にアメリカン・リーグが追加点を取り、2対1。このまま終わるかと思われた矢先の8回表、コロラド・ロッキーズ所属のエリアス・ディアス選手のツーラン・ホームランで試合が決する形に。その後、9回裏ツーアウトでロドリゲス選手に回り、球場の熱気も最高潮。四球後の打者が打ち取られ、万事休した。

マリナーズからはルイスカスティーヨ投手カービー投手ロドリゲス選手の3人が選ばれた

決勝点となるホームランを打ったディアス選手は、この試合のMVPとして選出。スコアは昨年と同じ3対2ながら、ナショナル・リーグがなんと11年ぶりとなる勝利を収めた。

手数料を含めて計420ドルと、チケット代は高額だったが、それでも人生で一度は行ってみたかったメジャーリーグのオールスターゲームを観に行けた喜びのほうが大きい。この経験は一生物だ。次はマリナーズに頑張ってもらって、この球場でワールド・シリーズを観てみたい。