宇和島屋で、愛媛フェアが行われました!
取材・文:加藤良子
シアトルを中心に4店舗展開している宇和島屋は、本誌の発行人トミオ・モリグチの父で、日系移民 1世の森口富士松氏が 1928年にタコマで創業、店名は富士松氏が渡米する前、愛媛県宇和島市の水産加工をする店で修行をしていたことに由来しています。こうした縁から 2016年より開催されていた愛媛フェアが店舗改修やコロナ禍を経て 6年ぶりに開催されました。
愛媛フェアの開催に伴い、5月24日に総領事公邸で、愛媛県経済労働部部長の松田雄彦氏や産業雇用局の産業政策課主幹、好岡浩二氏、宇和島市市長の岡原文彰氏や宇和島市観光物産協会より代表団を招きレセプションが開催された。
▼左から宇和島屋シアトル店ストアマネージャーのレックス・ハシモト氏、宇和島屋コーポレートオフィス・リテールカスタマー・エクスペリエンス担当副社長のステファニー・チョイ氏、宇和島市市長の岡原文彰氏、在シアトル総領事伊従誠氏、弊紙発行人のトミオ・モリグチ、優子総領事夫人、宇和島屋CEOのデニス・モリグチ氏
会場では5月22日から6月4日まで開催された愛媛フェアで販売された食品に加え、アイシス株式会社が販売する河内晩柑 や伊予柑、みかんジュースの飲み比べや日本酒、みかんアイスなどが振舞われた。愛媛は養殖真鯛で日本一の生産量を誇り、目玉料理は鯛しゃぶと鯛めし、柑橘類の皮を混ぜた飼料で育てられたみかん鯛の尾頭付きの姿造りだ。みかん鯛はみかん加工の際に出てくる搾りかすを入れた飼料を使うことで血合いの変色や生臭さが抑えられ、生魚が苦手な人でも食べやすいことで評判だ。身の引き締まった新鮮な刺身は、コリコリの歯応えがたまらない美味しさだった。愛媛県の三星品工業株式会社が販売する『あいみ塩ぽん酢』はほのかな塩加減で、瀬戸内海の煮干しの出汁や愛媛県産の柚子果汁、ワインビネガーをブレンドした爽やかな味わいは夏にぴったり。会場には愛媛県のマスコットキャラクター「みきゃん」も登場した。
愛媛フェアでは各宇和島屋店舗内でのマグロの解体ショーがメインイベントとなり、ベルビュー店などで「サバキ女子」によるパフォーマンスを実施。5月25日は宇和島屋シアトル店で愛媛県立宇和島水産高等学校の生徒「フィッシュガール」のマグロの解体ショーを披露した。ずっしりと重量感あるマグロの頭が切り落とされ、胴体が半分になり、中落ちの背骨が見えたかと思うと、ものの20分ほどで見事に解体された。カウンターの周りは写真に収めようと人だかりができ大にぎわい。大迫力の包丁さばきに歓声があがり、熱気に包まれた。
▲左から宇和島水産高等学校「フィッシュガール」の水野陽菜 さん、出水花音 さん、山下羅衣 さん
当日、宇和島屋を訪れていた岡原氏は「およそ100年も前に宇和島屋という屋号で創業し、宇和島の名前をシアトル中に広め、日系スーパーとして貢献し、地元の皆さまからもこよなく愛されているこの相互関係はそうそう築けるものではありません。これを機に、シアトルの皆さまに何ができるか考え挑戦していきたいです」と語った。