今季からNBAのマイナーリーグに相当するデベロップメント・リーグのテキサス・レジェンズに、日本人の富樫勇樹選手が加入しています。富樫選手はアメリカの高校にバスケ留学後、bjリーグの秋田ノーザンハピネッツでプレー。今夏はNBAへの登竜門であるサマーリーグにダラス・マーベリックスの選手として参加。平均身長6‘7“(200㎝)の選手がしのぎを削るNBAで、たった5‘7“(170㎝)の外国人選手が健闘し、アメリカのバスケファンを魅了しました。これからはマーベリックス傘下のレジェンズで経験を積みながらNBA入りを目指すようです。
NBAでは富樫選手よりももっと小柄な選手も過去に活躍しています。1990年代にシャーロット・ホーネッツで活躍したマグジー・ボーグスはNBA史上最小の5’3″(160㎝)。1987年から2年間所属したワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)では、史上最長身で7‘7“(231㎝)のマヌート・ボルと凸凹コンビを組んでプレーしていました。
現役のNBA選手で最小はデンバー・ナゲッツ所属のネイト・ロビンソンです。身長5‘9“(175㎝)のロビンソンはレニアビーチ高校からワシントン大を経てNBA入りした選手。小柄ながらも、スラムダンクコンテストでは史上最多の3回優勝を果たしています。
平均身長に約1フットも足りないロビンソンがNBAで10年間も活躍できているのは驚異的なジャンプ力のおかげ。助走付きのジャンプはNBA選手の平均が34インチ(86㎝)なのに対し、ロビンソンは約1フット上回る43.5インチ(110㎝)を誇り、身長の不足分をジャンプ力で補っています。バスケの神様と言われるマイケル・ジョーダンは6’6″(198㎝)と平均並の身長ながら、助走付きのジャンプは48インチ(122㎝)だったそう。引退してから11年が経ちますが、まだこの数字を超える選手は現れていません。
今季は野球でも小柄な選手が活躍しました。ヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベは身長5‘6“(168㎝)でMLB最小選手。チームは今季も低迷しましたが、アルトゥーベは打率0.341、盗塁56回、225安打でア・リーグの首位打者、盗塁王、最多安打のタイトルを同時に獲得。これは2011年のイチロー以来の快挙だそうで、アストロズにとってはチーム史上初の首位打者が誕生しました。マリナーズと同地区のアストロズはセーフコ・フィールドへの遠征も多く、アルトゥーベは小柄なため、かえってその姿が目立ちます。超人的な身体能力に恵まれた選手がひしめくプロスポーツ界で、親近感が持て、敵チーム所属でも応援したくなるような選手。富樫選手もそんな風にアメリカのファンの共感を得ているのだと思います。
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首位打者、盗塁王、最多安打選手に輝いたホセ・アルトゥーベ(中)