南イタリア屈指のリゾート地、アマルフィ海岸は世界遺産にも登録され、世界中の人たちを虜にしています。海岸線沿いを走るバスに乗り、西端のポジターノから東の古都アマルフィに行ってきました!
アマルフィに続く絶景ドライブ・コース
イタリア南部、ソレントからサレルモまで約40キロにわたるアマルフィ海岸は「世界一美しい海岸線」として1997年に世界遺産登録もされた。満喫するポイントは、海岸線沿いを車で走り、間に点在する街に立ち寄ること。西端のポジターノから乗ったバスは、急カーブが続く断崖絶壁の道をひたすら走る。コルドバブルーの海、海岸線の急斜面を彩るレモン畑、そして石造りの住居は、自然美と都市美が融合したダイナミックな景観を生み出している。乗車後一目散に海岸側の席を確保したおかげで、カーブをくねくねと曲がるたびに変化する風景を眺めながら、バスの旅を楽しむことができた。
バスに揺られること約1時間で、アマルフィに到着した。降車すると目の前に、太陽の光に映える透き通った海! そこからそびえ立つ急峻な段丘! 青々とした大自然の中に色とりどりの建物が散りばめられ、その美しさに思わずため息がこぼれた。
海に面するこの町は、中世の時代は海洋国家として発展。かつてはアラブ諸国やアフリカとの交易が盛んに行われ、地中海貿易の中心地として栄えていた。そのような当時の繁栄を物語るのは、町の中心にどっしりと佇む壮麗なアマルフィ大聖堂だ。ロマネスク様式やバロック様式などといった西欧の伝統的な建築様式と、かつて交易のあったイスラムやビザンチン等の建築様式が融和するそのデザインは、西洋と東洋の出会いを象徴している。
アマルフィで味わう大自然の恵み
アマルフィ大聖堂の妖艶な建築美で心を満たしたあとは、おいしいイタリア料理でお腹も満たしたい。アマルフィに来たからには、やはりシーフードを食べずにはいられない。アマルフィ名物、「シェラティエッリ」のシーフードパスタを試してみた。シェラティエッリは、うどんのようにコシのある極太パスタ。ムール貝とアサリがこんもりと盛られ、食べ応えは満点だ。
温暖な気候に恵まれたアマルフィは、レモンの産地としても有名。潮風と太陽の光をたっぷりと浴びた果実は濃厚で瑞々しい。店頭にはレモン商品がずらりと並び、鮮やかなレモン色で彩られている。そんなアマルフィの特産品をふんだんに使った逸品が「デリツィア・アル・リモーネ」。甘酸っぱいレモンの風味が特徴的なご当地スイーツだ。リモンチェッロのリキュールが染み込んだふわふわのスポンジ生地に、さわやかなレモンクリームをコーティング。その上には削ったレモンの皮が振りかけられていて、これでもかというほど香り豊かなレモンを堪能できる。そのあとは食後酒としてリモンチェッロをくぴっと1杯! アマルフィのグルメを味わい尽くし、大満足のひと時だった。
シアトルからの行き方
乗り継ぎ便でナポリへ。ナポリからはアマルフィまでは鉄道が通っていないため、SITA Sudバスに乗り、約2時間で到着。バスは1日数本のみの運行なので利用は計画的に。