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麻葉の見た―アーミッシュの世界 ~第5回~

10年前からアーミッシュ文化について調べている筆者が、2度にわたってペンシルヴァニア州、オハイオ州のアーミッシュ・コミュニティーで暮らした体験を紹介。

寄稿・写真 吉田麻葉

■アーミッシュはアメリカのどこに、どれくらい住んでいる?

アメリカの西海岸にはアーミッシュコミュニティーがないため、シアトルでアーミッシュを見かける可能性はほとんどゼロに近いと思います。アーミッシュの人口は全米で約30万人ですが、その3分の2がオハイオ州、インディアナ州、ペンシルヴァニア州に住んでいます。これらの地域では、アーミッシュは決して珍しい存在ではありません。スーパー、レストラン、カフェ、銀行、図書館など、公共の場で日常的にアーミッシュと交流する機会があります。

■地域のイベントで交流するアーミッシュとノンアーミッシュ

▲オークションに集まった地元の人達に混ざって普通の服を着たアーミッシュ以外の人もいる
▲オークションに集まった地元の人達に混ざって普通の服を着たアーミッシュ以外の人もいる

私がアーミッシュコミュニティに滞在していて驚いたのは、アーミッシュと一般のアメリカ人の交流が思っていたよりも多いことです。「アーミッシュは外の世界と距離を置く」という説は正しいのですが、頑なに交流を絶っているわけではありません。例えば、地元で開催されるオークションには、一般のアメリカ人に交じってアーミッシュも参加していました。アーミッシュのチャリティイベントである「トレイルライド(Trail Ride)」は地域ぐるみで運営しており、アーミッシュ以外の子どもも参加していました。地元の人にとって、アーミッシュはアーミッシュである前によき隣人。ビジネスパートナーになることもあれば、アーミッシュと物の売買をすることも日常のようです。

▲トレイルライドのイベント。一般人とアーミッシュが馬に乗ってトレイルを走る
▲トレイルライドのイベント一般人とアーミッシュが馬に乗ってトレイルを走る

[麻葉アーミッシュの世界]