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春の陽気に誘われて シアトル近郊でガーデンめぐり②

シアトル南部のレーニア・ビーチに位置する20エーカーの日本庭園で、高知県出身の日本人移民、窪田藤太郎さんが、1927年に5エーカーの土地を購入したのが始まり。独学で造園を学び、生涯をかけて造りあげた。経緯の一端は、入り口付近にあるセルフガイド用パンフレットで知ることができる。かつては隠れた名所だった庭園が、今では、観光客や庭園マニア、シアトルからも癒しを求める人々が詰めかけるサウス・シアトルの必訪スポットとなっている。

◀︎ 堂々と佇む門が訪問者を迎える

園内の小道は幾つにも枝分かれしていて、探検気分で散策できる。入ってすぐのところにある鐘銅や、池にかかる円月橋、2015年に完成した石垣など、見どころがたくさん。所々にある庭石には刻印のあるものがあり、庭園の歴史を物語る。探索がてらに、こういった細部に注目するのも面白い。

▼石垣の横には「万」という字

▼中央部分に「天地金の神」と彫られている

ガーデンは、シアトル市公園局と窪田ガーデン財団によって運営されていて、2022年にはトイレが備わり、子ども連れにも安心だ。入園は無料で、犬の同伴も可能。毎月第4土曜日の午前10時からは、ボランティアによるツアーが開催されていので参加してみるのも良いだろう。

Kubota Garden
9817 55th Ave. S., Seattle, WA 98118
開園時間:日の出~日没
入園料:無料
☎206-725-5060、info@kubotagarden.org
https://kubotagarden.org

中央に大きな水場があり心地よい。鴨が浮いていた © Dennis Dow
ウッドランドパーク動物園の南ゲート駐車場のそばにはバラ園がある。休憩するのにちょうど良い2.5エーカーの広さで、その年の気候にもよるが、5月から8月にかけて約200種類のバラを楽しむことができる。
やはりバラが見どころ。開花時のバラ © Dennis Dow
シアトルの気候に適したバラを無料で一般公開することを目的にシビック・ガーデンを意識して造られたことがこのバラ園の特徴。2006年から無農薬で栽培されており、あまり見栄えが良くない状態のバラは、動物園の熊やゴリラにあげているそう。毎年3月に開催されるバラの剪定実演も人気イベントのひとつだ。
年間200万人の人々が訪れ、犬の散歩がてらに寄る人も多い。暖かい日はピクニックにも最適。園内の道は平坦で、車椅子でもアクセスしやすい造り。駐車が有料でトイレがないことがいささかネックだが、思 索に耽る場所を求めている人にぜひ訪れてほしい。
1924年にできたことがうかがえるアンティークな看板が入り口の目印▶︎
Woodland Park Rose Garden
750 N. 50th St., Seattle, WA 98103
開園時間:7:30am~日没
入園料:無料
☎206-548-2500、zooinfo@zoo.org
https://www.zoo.org/roses

植物が芽生え始めている様子。4月~5月が見頃

◀︎ 八尾庭園への入り口
イーストサイドでお馴染み、ベルビュー・ダウンタウンの東に位置する53エーカーもの広さを誇る庭園。園内にはギフト・ショップやカフェがあり、小腹を満たすサンドイッチも販売。多種多様な植物にはQRコードの看板が添えられているものがあり、携帯で読み取ってその場で気軽に学べる仕組みだ。ウォーター・ワイズ・ガーデンと呼ばれる一画には、100年以上前に、ジェームズ・シャープという人物によって建てられたシャープ・キャビンが展示されている。ぶどうやベリー類、野菜などの農園を営んでいたシャープ家が実際に住んでいたらしい。園内東側には「八尾庭園」という名の日本庭園もある。元々は1971年にケルシー・クリーク・パーク内に造られたが、1992年に現在の場所に移転。ベルビューと大阪府八尾市の姉妹都市提携25周年を記念し、1994年に正式に開園した。
庭園入り口から1/3マイル離れたところには橋がある▼
庭園の奥へと続くトレイルを進むと、森林に包まれ、大自然の中にいるような感覚になる。広大な敷地は、園内を1周するだけで良い運動。いろいろなイベントやワークショップも定期的に開催されているので、興味のある人はぜひホームページをチェックして訪れてみよう。
Bellevue Botanical Garden
12001 Main St., Bellevue, WA 98005
開園時間:
日の出~日没
入園料:
無料
☎425-452-2750
bbgsoffice@bellevuebotanical.org