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傷心のロードトリップ〜Editor’s Note スタッフこぼれ話

傷心のロードトリップ💧

カリフォルニア州レッドウッド国立公園
ひどく個人的な話で恐縮だが、クリスマスを迎える前に失恋した。サンクスギビング休暇を一緒に楽しく過ごしたばかりで突然の出来事ではあったものの、宗教観や人生観の違いは決定的で、お互い納得のうえで別れることに。論理的な決断だったと頭では理解しているが、感情は簡単に追い付けるものではない。
​オレゴン州ゴールドビーチのマイヤーズクリークビーチビューポイントからの景色
最初の1週間は友人として連絡を取り合い、仕事にもいつも通り行っていた。しかし、ビデオ通話の向こうの元カノは、どこか様子がおかしい。僕に対する接し方が変わった。どうやらすでに意中の新しい彼氏がいるらしく、気持ちを切り替えたようだ。それを悟った瞬間、1週間ギリギリ保っていた僕のメンタルがついに崩壊した。
週明けにはオフィスに出勤するも、仕事が全く手につかずに早退。翌日も何もできなかったため、マネジャーに相談して休暇をもらうことに。とにかくリフレッシュしたい! その一心で、南へと車を走らせた。目的地は特になかったが、おすすめされたカリフォルニア州のレッドウッド国立公園にひとまず向かう。
途中でオレゴン州ユージンのホテルで1泊し、翌日は海岸を目指して、ブルッキングズという港町に滞在した。3日目にようやくカリフォルニア州へ入り、レッドウッド国立公園に到着。数時間ほど大自然の中をひとり歩きながら、解放感に満ちあふれていくのを感じた。やはり、ハイキングは心身のリフレッシュに最適だ。
レッドウッド国立公園は​​とんでもない巨木​​が多く​​そびえるその景観は圧巻だ​
​​帰りは奮発して​​オレゴン州アシュランドのアシュランドヒルズホテルアンドスイーツ​​に宿泊​​​​ひとり​​で​​高級​​ホテルに泊まるのも案外​​良いものである
ワシントン州東部へのドライブ旅でパルース滝を目指すが……
滝まで​​1時間周りに何の建物も見当たらない道を進む​​この先がとても気になるので​​​​夏にでもまたリベンジしたい​

ひとり旅は気分転換になったが、年末年始は人生で最底辺の精神状態だった。公私共に絶不調。将来が全く見えない。誰とも話さずひきこもりたいとも思ったが、同僚など人と話したり、積極的に外に出て新しい友だちを作ったりすることで、徐々に笑顔が戻ってきた。
1月中旬には休日を利用し、最近仲良くなった友だちふたりを乗せて、ワシントン州東部へ日帰りロードトリップに出かけた。目指すは、シアトルから東へ車で約5時間の場所にあるパルース滝州立公園だ。
最後の1時間は未舗装路を進む。電波も届かない中で、ようやく滝にアクセスできる橋が見えてきたが、なんと閉まっている……。気を取り直し、州立公園の北側に回り込んで別の道路から滝に向かおうと試みるも、その90分後、今度は無情にも行き止まりの標識が。滝まで残り15分のところで立ち往生。事前に調べてもそのような勧告はなかったため油断していた。他のルートでなら行けたのかは、調べてもいまだにわからない。6時間半の車の運転のあとでは、余計にショックが大きかった。
レ​​ブ​​ンワースに行く​​たび​​必ず​​食事に利用している​​ミュンヘンハウス​​​​ドイツ式のソーセージとビールが​​おいしい​

仕方ないと諦め、少し西に戻ってドイツ村として有名なレブンワースに立ち寄ることにした。着いたのは午後4時前。朝に出発してから11時間が経過している。イルミネーションが美しく輝く中、休憩がてら名物のホットドッグを食べたりショッピングをしたり。そして午後8時前にレブンワースを出たが、帰路も想像以上に過酷だった。
2時間半もの雪山道のドライブ。スリップしている車を横目に、ひたすら暗闇の中を運転し、最大限の集中力でとにかく耐えた。この日だけで計13時間の運転となり、人生最長記録をたたき出す。こんなに頑張って実際にたどり着けたのが、家から片道2時間でいつでも行けるレブンワースだけというのが、なんとも皮肉である。
だが、友だちとは楽しい時間を過ごせた。いろいろあったが、予定通りに行かないのも、これまた人生の縮図なのかなと思えた。
雪とイルミネーション​​を目当てに訪れた観光客でにぎわう​​レ​​ブ​​ンワース​​思いがけず​​冬​​景色​​を満喫できた​