ナショナルジオグラフィックの世界をそのまま体験できてしまうのが、アフリカのサファリです。どこまでも続く広大なサバンナと野生動物に圧倒され、人間のちっぽけさを痛感。これまで旅したどの国よりも、深く心に残る景色がそこにありました。
野生動物ファンのメッカ! マサイマラ国立保護区
ケニアには有名なサファリ地区がいくつかあるが、マサイマラ国立保護区が最たるものと言える。ハイシーズンはヌーの大移動が見られる夏と年末年始で、人気のロッジは1年前から予約で埋まってしまう。朝夕2回のドライブ・ツアーが付くのはどこの宿も同じで、ガイドは基本英語のみ。日本語ガイドが欲しいならナイロビから陸路を選択して日本語ガイドを付けるか、日本人オーナーのロッジに泊まることをおすすめする。筆者が宿泊したケチュア・テンボ・テンテッド・サファリ・キャンプは、部屋からサバンナが望めるロッジとテントの中間のようなスタイル。アフリカンモダンな造りも快適で、保護区まで車で15分という近さもうれしいポイントだ。
遭遇できたらラッキーと言われているのが、ライオン、サイ、ヒョウ、バッファロー、ゾウの通称「ビッグ・ファイブ」。現地ガイドが無線で連絡を取り合い、動物を探してくれるのだが、彼らはとても目が良いのでわれわれには全く見えない数百メートル先の動物もすぐに見つけられる。ちなみにライオンがいるところは車の列ができているので一目瞭然。マサイマラは国立公園ではなく保護区なのでオフロード走行が許されている場所もあり、間近で動物を見られる機会も多い。
バルーン・サファリは一生の思い出に
ほかにも、マサイ村訪問、ウォーキング・サファリなど、多様なアクティビティーが用意されている。中でも絶対に体験したいのがバルーン・サファリだ。朝食込みで大人450ドルくらいが相場。足踏みしてしまう価格ではあるが、その感動は唯一無二のもの。
早朝、太陽が昇る前に出発し、気球から朝日を眺めることができる。カバが水浴びをする様子や、草食動物の群れを上空から見下ろすこと約1時間半。空の旅を終えバルーンを降りたら、ブッシュ・ブレックファストの始まりだ。大自然の中で食べる朝食は、もうそれだけで幸せいっぱいである。
シアトルからの行き方
シアトルからの直行便はなく、パリやロンドン経由の乗り継ぎ便だと約20時間でナイロビ・ジョモ・ケニヤッタ国際空港に到着する。マサイマラ国立保護区へは、首都のナイロビから陸路で6時間、小型飛行機で1時間ほど。