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日本の水際対策、官僚の視点?〜みきこのシリメツ、ハタメーワク

シアトルで会計士とタックス・リターンの話をして帰国した。

去年3回訪れたうち、3月はコロナ禍の水際対策が緊急事態宣言の解除直後でも、陰性証明の書類不備のため3日間ホテルに監禁された。7月は五輪直前の水際対策で3日間の監禁。11月末は緩和の時期で、晴れて自宅に直行できた。

今回はジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の2度目の接種をし、搭乗72時間以内の陰性証明もあり、入国に全く問題はないはずであった。ところがこの2回目の接種が厚生労働省の認可しているワクチンのリストに載っていないということで、3日間の自宅待機になり、毎日2回、アプリで居場所の確認をされることになった。狭いホテルの部屋でうずくまっていることに比べたら大したことではない。ただ、どうも政府、お役人たちの考えがわからないのだ。

厚生労働省・検疫所によると、J&Jは有効なワクチン2回接種証明書のリストに載っている。J&Jの場合は「1回の接種をもって2回分相当とみなす」とある。ところが次の項目、「ワクチンを3回接種していることが確認できる証明書リスト」にはJ&Jが載っていないため、自宅待機命令が出たのだ。私はこれを単純に「3回目」と呼ばないためだと解釈していた。現に「J&Jは認められない」とは書いていない。一貫していないのだ。

翌日、厚生労働省に抗議した。なぜJ&Jは認められていないのか、その理由を知る権利はあるのではないか、と。これは私ひとりの問題ではなく、アレルギー体質により1回目と同じJ&Jにしたほうが無難と主治医から言われた人など、ほかにもいるであろう人の不便さ解消のためでもある。

J&Jワクチンに関しては、以前にも問題があった。去年11月半ばごろまで日本では認められていなかったのが、岸田内閣に変わり、ビジネス関係の入国者については自宅待機が縮小された。私は例のごとく(私の抗議癖は有名なんです。自分では皆のため、と思っていますが)厚生労働省に電話で訴えた。なぜ、ビジネス関係者だけなのか。当地では問題ないのに日本人は日本でなぜ差別されないといけないのか。経済に貢献はしていなくても、グリーンカード保持者、留学生は文化交流の面で日米の橋渡しをしている。親の介護のために帰国しないといけない人は1日1日が大切なのだ。このような差別待遇をするという判断はどこから来たのか、と。私以外にも抗議をした人がいるのだろう。それ以後「ビジネス関係者」の言葉は削除された。

日本のお役人さんたち、自分たちの立場からだけでなく、少しは連携して物事を見られるように努力して欲しいと思いますね。

天海 幹子
東京都出身。2000年から2005年まで姉妹紙『北米報知』ゼネラル・マネジャー兼編集長。「静かな戦士たち」、「太平洋(うみ)を渡って」などの連載を執筆。2020年11月に日本に帰国。同年、著書『ゼッケン67番のGちゃん』を刊行。