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女同士フレンドシップ・コメディ 『Life Partners』

lifepartners1 「男の選り好みが激しいからカレシができないのよ」「だって、あなたに対してと同じぐらい気の合う人がいないんだもの」
めちゃくちゃに仲の良い二人は共に 29歳。時間があればベットの上でベタベタ、ダラダラ、気兼ねゼロの会話をしてる。こんな感じの女同士って結構多いと思うのだが、米国映画でそんな二人を「どっちが先に結婚するか」なんて塩っぱいドラマ抜きに描くものはあまりなかった。若い女同士のドジで正直な友情関係を描いたフレンドシップ コメ・ディの佳作だ。
法律事務所で働くしっかり者のペイジ(ジリアン・ ジェイコブス )はストレートで、ミュージシャンを目指しつつ昼は受付で働くサーシャ(レイトン ミースター)はレスビアン。二人は互いの恋人探しを手伝い合う程の長年の親友同士だ。だが、ペイジがオタクっぽいボーイフレンド、ティム(アダム ブロ・ディ)と付き合い始めて、二人の関係は変わってしまう。以前のようにいつでも話せる状態でなくなったペイジに不満と寂しさを感じるサーシャだが、彼女にもガールフレンドが出来てドタバタ。でも肝心な時にペイジに相談出来なくてクサってしまう。一方、ラブラブのペイジとティムの関係もちょっと暗礁に乗り上げて……というお話。
脚本は TVのコメディや『Chasing Life』の製作をしてきたスザンナ・フォーゲルとジョニ ・レフコウィツによるもので、監督はフォーゲルが担当。長年の二人の関係を反映させた内容らしく、他愛のないストーリーではあるが、嘘っぽさがなく若い女性独特の素直さや真面目さが描かれて楽しい。
年上世代から見ると、未婚 29歳は本人たちは立派な大人だと思っているかもしれないが、まだ少女っぽさが残っていて、成長や変化の余地が大きく残された時期、という風に見えた。30歳過ぎても人生はまだまだ波乱アリ、「 そういう時に力になってくれる親友を手放さないで」と声をかけたくなる。
12年の『フランシス・ハ』 も女友達にこだわる女主人公が登場して、今時の若い女性の気風を伝えていたが、本作にも共通するものを感じた。「恋人ができたら終わり」なんて女の友情を見下す人もいるが、今の若い女性は生涯続く女友達の大切さを知っている気がした。頼もしい限りだ。
上映時間 1 時間 33 分。シアトルは 9 日:よりSeven Gables Theatreで上映中。
[新作ムービー]

土井 ゆみ
映画ライター。2013年にハワイに移住。映画館が2つしかない田舎暮らしなので、映画はオンライン視聴が多く、ありがたいような、寂しいような心境。写生グループに参加し、うねる波や大きな空と雲、雄大な山をスケッチする日々にハワイの醍醐味を味わっている。