シニアがなんだ!カナダで再出発
在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務した後に、2013年定年退職した武田 彰さんが綴るハッピー・シニアライフ。国境を超えるものの、シアトルに隣接する都市であるカナダのバンクーバーB.C.で過ごす海外リタイアメント生活を、お伝えしていきます。
バンクーバーの日本語メディア
シアトルでは宇和島屋に行くたびに、出口近くに並ぶ日本語の新聞や雑誌をあるだけ持ち帰るのが楽しみだった。北米に50年近く住んでも、日本語の活字はやはり読みやすい。アメリカ文化にあこがれて北米に移住した私だが、年齢を重ねるにつれ、書籍、食事、そしてテレビ番組などのチョイスにおいて、英語中心から徐々に日本語中心に変化していることに気付く。新型コロナによる巣ごもり生活が続いたせいもあるかもしれない。
バンクーバーにも日本語メディアはいくつかあり、フリーペーパーは日系・韓国系食料品店で入手できる。また、同じ内容がネットでも見られる。カナダに移住する前は、こんなに便利な情報源の存在を思い付かなかったのが不思議。こうした日本語読者に特化した情報は、バンクーバーでの観光や留学、移住を考えている方に役立つこと請け合いだ。
●月刊ふれいざー+ go Local(www.thefraser.com)
カラー写真と厚めの表紙が目を引く『月刊ふれいざー』は毎月1日、簡易版の『月刊ふれいざー go Local』は 毎月15 日発行。28年続く同誌は、ニュースやイベントなど日系コミュニティーの動向、ローカル情報に加え、バンクーバーの歴史、日本の話題、映画評、地球温暖化等時事問題、各種エッセイ、新刊案内、ヘルスケア、コミュニティー掲示板、数独(すうどく)と内容も充実。私も愛読している。
●Oops! うっぷす(www.oopsweb.com)
毎月1日、15日発行。コロナ禍でプリント版が中止され、ネット発信のみ。留学生など、当地に一時的に住む(あるいはそれを希望する)読者を対象とする内容となっている。語学学校や大学などのスクール・ガイド、eTA (電子渡航認証)、ビザ関連、カナダの病院利用、飲食店のグルメ、コミュニティーのお知らせなど、身近な情報が満載。
●げっぽう The Bulletin(http://jccabulletin-geppo.ca)
日英両語版が表裏1冊にまとめられている、バンクーバーの東隣、バーナビーを拠点とするグレーター・バンクーバー日系カナダ市民協会発の月刊誌(ウェブ版あり)。日系人社会、歴史、文化に関連した内容で、主に当地の日系人擁護団体たる「隣組」および日系文化センター・博物館、日系シニアズ・ヘルスケア&住宅協会、日系プレース基金で構成される「日系プレース」関連記事が多い。
●バンクーバー経済新聞(https://vancouver.keizai.biz)
最近の例では、デジタルアートのゴッホ展やホットチョコレート祭り、スターバックス社の動き、ジャーケーキ(瓶詰めケーキ)自動販売機などのトピックを掲載。当地のビジネスおよび文化ニュースを届ける。経済情報を中心に日本や世界各地からの最新ニュースも入手できる。私は故大橋巨泉氏が夏をバンクーバーで過ごしたことや当地でのOKギフトショップ誕生について、このウェブサイトで知った。
●バンクーバー新報(www.vancouvershinpo.ca)
41年続いた唯一の有料新聞『バンクーバー新報』(http://v-shinpo.com)が、昨年4月30日に廃刊となったのは惜しまれる。しかし、同年7月から代わりに上記ウェブサイトでのオンライン発信がスタートしている。41年分の紙面は日系文化センター・博物館に寄贈されることになり、今後はアーカイブとしての閲覧利用が期待される。