シニアがなんだ!カナダで再出発
在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務した後に、2013年定年退職した武田 彰さんが綴るハッピー・シニアライフ。国境を超えるものの、シアトルに隣接する都市であるカナダのバンクーバーB.C.で過ごす海外リタイアメント生活を、お伝えしていきます。
ビクトリア・デー・パレード参加&海藻採り
5月25日直前の月曜日はビクトリア・デーの祝日。英国ビクトリア元女王の誕生日にちなんで制定されたもので、米国のメモリアル・デーに似て夏の到来を告げる。1898年に始まり、パンデミック宣言後は休止となっていた「ビクトリア・デー・パレード」も今年は再開。わが相棒ジェームズが参加依頼を受けたのをきっかけに、ちょうど再訪したいと思っていたバンクーバー島のビクトリアへ出向くことに。ジェームズと同じく韓国から移民した友人女性も誘い、地元の「ビクトリア韓国協会」と合流してパレードに臨んだ。
しかし、当日は朝5時起きにもかかわらずバンクーバー組の準備が整わずに出遅れ、午前9時開始と共に地元グループのみ先に出発。われわれも数ブロック走ってパレード最後列に追い付き、かろうじて加わる。メイフラワー・モールからダウンタウン中心まで全長3キロを約3時間にわたって練り歩くことに。先発したビクトリア韓国協会員約10人は太極拳をデモンストレーション。最後列のわがグループは、4つの打楽器を使うサムルノリの演奏や、プチェチュムと呼ばれる扇の舞を含む伝統芸能のパフォーマンス隊に交ざり、韓国衣装をまとって「その他大勢」的存在で参加した。
南端に近いスークへの小旅行も兼ねた今回のバンクーバー島訪問。パレードが終わると、支給された弁当で昼食を済ませ、いざ島の南沿岸伝いに一路西へ。1時間弱のドライブだ。スークのダウンタウンに入る直前、観光名所のスーク・ポットホールズ州立公園に立ち寄り、軽くハイキングも楽しんだ。
スークの街は人口わずか1.5万。日本(日系)人も50名住んでいるという。ネットで予約し、2泊したダウンタウン近くのキッチン付きタウンハウスは快適で、周りにレストランやスーパーもあり何も困らない。到着後の夕食は海のそばということで、ホテル内にあるレストランでシーフードを注文した。しかし、砂混じりのクラムにがっかり。シアトルだとこういうとき、サーバーが気を利かせて交換に応じたり、デザートを無料で出してくれたりするのに。シアトルの友人いわく、それはカナダ人がナイスだから客側がレストランの間違いを許してしまうのに比べ、アメリカ人は怒りやすいため、クレームで事が大きくなることを避けたいレストラン側が折れるのではないか、と。米加両国の微妙な違いを指摘され、ひょっとしてとうなずく。
さて、このスーク再訪の目的は、天然の海藻採りだ。近所の人に聞いたウィフィン・スピット・パークはスーク・ハーバーの入り口を囲み、遊歩道も整備されている。ジェームズは膝上まで水に浸かり、ワカメを採取。
私と友人は陸の岩石の間に絡まる海苔を手づかみした。宿に戻り、ジェームズが茶色のワカメをゆでると見事、美しい緑色に。キムチやご飯、コチュジャンなどをワカメで包み、味付け海苔を添えた「にわか」ベジタリアン食の出来上がり。超健康ディナーとなった。