アメリカ史を肌で感じる東海岸縦断6日間
アメリカ・ジョージア州〜ニューヨーク州
アメリカの国土は日本のおよそ25倍。小さな島国からやって来た私たちには想像もつかないほど、気候も文化もバラバラです。フロリダ州からジョージア州に入り、大都会のニューヨークまで、憧れのロードトリップでアメリカ東海岸を縦断しました。
(取材・文:加藤 瞳)
Day 1 ジョージア州-サウス・カロライナ州
ジョージア州からサウス・カロライナ州都、チャールストンへ。南北戦争開戦の地としても知られる全米では屈指の人気観光スポットだ。
歴史地区と呼ばれるエリアには、石畳の通りや教会など、 18世紀からの美しい街並みが残る。中でもカラフルな家々が連なるレインボー・ロウはレトロかわいい必訪スポット。晴天なら間違いなく完璧な「映え」ショットが撮れるだろう。
Day 2 ノース・カロライナ州-バージニア州
ノース・カロライナ州で目指すはペプシ・コーラ生誕の地、ニューバーンだ。いったいどんな場所かと期待したが、着いてみると古いレンガの街並みにひっそりたたずむ小さな店(256 Middle St., New Bern, NC 28560 www.pepsistore.com)。アトランタのコカ・コーラ博物館と比べると、ずいぶんと控えめで好ましい。ペプシ・コーラは、1894年に町の薬剤師、キャレブ・ブラッドハム氏が薬として調合したのが始まり。店舗には懐かしの瓶入りペプシを買って飲めるカフェ・スペースが設けられている。べピーサイズから用意されたレトロなオリジナルTシャツもお土産におすすめ!
同州北部は驚くほど何もない。宿泊地となるバージニア州リッチモンドを目指し北上するも、ただただ農園の景色が続く。かつて奴隷制をめぐってアメリカが真っ2つに割れた南北戦争の南軍と北軍の境目となったのもこの辺り。150年経った今でも、その境界で文化圏が異なる 。豪華な装飾を施された南部スタイルの家々、南軍旗。まるで映画を観ているかのようだ。
Day 3 バージニア州-ワシントンD.C.
バージニア州の州都、リッチモンドのレストランでやっと、南部では皆無だった白人と黒人が交ざるグループを目にした。西海岸と比べ、根強く残る人種の壁の存在に、衝撃を受ける。
そんな体験をしつつワシントンD.C.に到着。奴隷解放宣言をしたリンカーン大統領の像や、キング牧師の「I Have A Dream」の演説がなされた場所を前に、背景にあるアメリカ史に思いを馳せる。スミソニアン博物館に航空宇宙博物館と、見所が多過ぎて1日ではとても回り切れない。じっくり観光するなら少なくとも3日は欲しい。
Day 4 メリーランド州
映画「ヘアスプレー」の舞台となったメリーランド州ボルティモアへ。ボルティモアのダウンタウンでは、黒人以外は全く見かけなかった。郊外の高級住宅地に入ったとたん、白人歩行者を目にするようになる。現代のアメリカ社会の問題を如実に反映した街の様子に考えさせられる。
Day 5 ペンシルべニア州
ペンシルべニア州フィラデルフィアは、映画「シックス・センス」の舞台にもなった古い街。アメリカ独立宣言の署名がなされた合衆国生誕の地でもある。
フィラデルフィア美術館(2600 Benjamin Franklin Pkwy., Philadelphia, PA 19130 www.philamuseum.org)は、ニューヨークの美術館群の陰に隠れ日本人にはあまりなじみがないが、実は全米でもトップ10に入る規模。ゴッホ、モネ、ルノアール、ダリなどそうそうたる作品が並ぶ。ちなみにメイン・エントランス側の階段は映画「ロッキー」の有名なトレーニング・シーンのロケ地として知られている。
Day 6 ニューヨーク州
ついにニューヨークに到達!
1日に1州、1都市を回るというプランで東海岸を縦断したが、思いがけずアメリカの文化や歴史に深く触れる旅となった。シアトルにいるだけでは決して得ることのできない有意義な体験。ぜひ、アメリカの街をめぐるロードトリップを体験してみて欲しい。
┃シアトルからの行き方
南部の主要都市はそれぞれシアトルから直行便が運航。ジョージア州アトランタへは、アラスカ航空、デルタ航空で約4時間50分。各空港でレンタカーが利用できる。オンラインで予約しておくと良い。