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カルガリーでカウボーイ文化を見た

7月半ばアルバータ州カルガリーを訪れたら、スタンピードの真っ最中。10日間の開催期間中にカルガリーの人口100万人を超える入場者を誇る「地上最大のアウトドアショー」だ。カウボーイたちが自慢の腕を競い合う各種ロデオ・イベントの他、コンサートやパレード、農業関連コンテスト、幌馬車レース、先住民関連展示などもあって盛り上がる。
ライトレールに乗ってダウンタウンに繰り出すと通行人や店員がにわかカウボーイ・カウガールに成りすまし、車を閉め出した道路にパティオ席を設けたレストランやカフェも皆満員。路上では、ライブのカントリー・ミュージックに合わせて「カウガールズ」が踊る。

カルガリーのカウガールズ
カルガリーのカウガールズ

カウボーイは米国の専売特許と思われがちだが、カナダにもテンガロン・ハットからシルバー・スパーに至るまで、正真正銘のカウボーイ文化が存在していることを目のあたりにした。我々もカウボーイ気分にあやかろうと、アルバータ・ステーキ老舗のHy’s Stakehouse本店でひれ肉ステーキを食べ大満足。
翌朝、シアトルから遠路車で北上してきた旧友スティーブの運転で一路カナディアン・ロッキーへ向かい、モレーン・レイクを訪れた。氷河湖の背景には、かつてカナダ紙幣の絵柄にも採用された「テン・ピークス」がそびえ立ち、猛々しい。周辺には遊歩道の他、トレイルも整備されている。美しい湖水から山々が垂直に伸びるカナディアン・ロッキー独特の風景は多くあれど、それぞれが違った雰囲気を持っていて観光客の心を捉えて離さない。
そこから再び西へ。BC州のヨーホー国立公園のキッキングホース峠(標高1,627m)を通る。園内の国道にほぼ並行して通っているカナディアン・パシフィック鉄道は、BC州がカナダ連邦に所属した1871 年の約10年後に開設されたものだが、坂道が急すぎて事故が多発したこともあり1909年にルートを変更し、後に国の史跡に指定された螺旋形の特殊な長いトンネル2つが建設されている。国立公園案内所に入ると藤村知明さんという日本人スタッフが案内役を買って出てきた。この鉄道が開設されたことで、BC州が初めてカナダ中東部と結びつくことができたと言う。藤村さんは近くに住む雪崩の研究家で、峠で多発する雪崩を計画的に未然に爆発させて被害を軽減する手段を、雪崩が起こってからしか対処しない日本に紹介しようと努めておられる。達者な英語で自身の目的を話してくれる藤村さんの真剣な目は逞しく、こんなところにも日本人がいて活躍してくれていると知ってとても嬉しくなった。

[カナダで再出発]

武田 彰
滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。