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BC州のバケーション・スポット発見

BC州の中東南部はバンクーバーよりも早く夏がやって来る。知らない町を訪ねつつ屋外ピックルボールを楽しもうと、5月末に友人2人を伴い、1週間のドライブ旅行に出かけた。

国道3号線を4時間弱、去年も訪ねたオソヨーズ市(Osoyoos)で2泊した後、さらに東に3時間ドライブ。この辺りには南北に連なる湖群がいくつかある。たまたま見つけたのが、クーテネー(Kootney)湖沿いに位置し、セルカーク山脈(Selkirk Mountains)に囲まれた風光明媚な街、人口約1万のネルソン市だ。19世紀末に鉱山の地として栄え、ビクトリア調など350以上の歴史的建物が並び、「クイーン・シティ」の異名を持つこの町。現在は芸術の町としても知られ、古い劇場を使ってフィルム・フェスティバルなどの様々な催しが行われている。

市内を歩くと、町のシンボルとなっている「ヒューム(Hume)ホテル」が目につく。昔ながらのインテリアや通路に飾られた古い写真から、同地の歴史を垣間見る。湖沿いに走る電車に乗り、大公園「Lakeside Park」内を歩いて、ピックルボール用コートを発見。地元民たちとピックルボールで交流し、いざエインズワース温泉へと向かう。

道中、クーテネー湖でカー・フェリーに乗った。30分おきに出るフェリーはなんと無料だ。到着後に車を走らせて見つけたカフェ「Black Salt Café」で、デザートに「Death by Chocolate」を注文した。口に入れると舌の上でとろけ、その名の通り「もう死んでもいいな」と友人たちとうなずきあった。

午後遅くになって、エインズワース温泉に到着。先住民所有のプール式温泉の脇には、アーチ型の天然洞窟温泉が。さっそく硫黄で薄茶色になった熱い湯につかる。友人のジェームズは、閉所恐怖症の私を無理やり引っ張って、薄暗い洞穴へ導く。すると、長年ミネラルが積もってつらら状になった壁に囲まれ、滝のように湯が湧き出ていた。一瞬で蒸し風呂のごとく汗が出て、全身から老廃物が出ていく気がした。ひとっ風呂浴びた後は4階のレストランで、夕凪で鏡のようになった湖と柔らかくそびえ立つ山々を見ながら夕食をとる。シカ肉やバッファロー料理など、地元の材料を使ったメニューに大満足。

<span style=color 0000ff font size 10pt>エインズワース温泉でパチリ<span>

ここから西へケローナ市(Kelowna)に向かうと、かつてバンクーバ-ーに移住した日系カナダ人第二次大戦中に強制移住・収容されたニューデンバー市(New Denver)を通る。静岡県伊豆市姉妹都市提携が結ばれているそうだ。

途中立ち止まった小さな町々ではいずれも、住民の福利向上や観光客を誘致しようと努力する人々の姿がうかがえ、それは清々しく、かつ頼もしくもさえあり、地方の生活も悪くないと思ったのであった。

[カナダで再出発]

 

武田 彰
滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。