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バンクーバーでハイキング再開

マウント・シーモア
マウントシーモア

シアトル在住時の一時期、ハイキングを趣味としていた。ピーク時には週末のみならず平日5時に仕事を終えてからも、片道4マイルのマウント・サイ(Mt. Si)を1時間35分で登り、懐中電灯をともして下山したし、「パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail)」の北端、レイニーパス(Rainy Pass)からカナダのマニングパーク(Manning Park)までの70マイルを、35ポンドのバックパックを背負って5日間で歩くほどで、足には自信があった。

急坂を休まずに歩いていると「自分は老いても永遠に山登りができるだろうな」と買い被るほどの高揚感を味わったものだ。10年ほど続けたが、1987年に初めて一戸建ての家を買ってからは維持に時間をとられ、ハイキングはたまにしか行けなくなった。

バンクーバーに越してからハイキングをする友人ができ、「かつて味わった高揚感を再び」と、最近山歩きを再開した。まず、これを登らなければバンクーバーっ子ではないと言われる「グラウスマウンテン(Grouse Mt.)」にいきなり挑戦。ここは45度の傾斜が続くトレイルで、苦行を意味する「グラウス・グラインド(Grind)」という呼び名が付いている。標高1,127メートルの山の、ゴンドラの下を上るコースで片道2.9キロメートル、高度853メートルを一挙に上る。まるでごつごつ岩でできた階段のようなところだ。トレーニングのため早足で登る人が多く、もたもたできない。毎年10万人が登っており、スピードに挑戦する人たちも多く、トレイルのスタート地点と終点に設置されたタイマーに専用のカードをかざすと自分の時間が記録できる。このコースは歩いて下山することが禁止されているため、下りは10ドル払ってゴンドラで降りるようになっている。

一挙に上ったもののさすがに往年のようにはいかず、心臓がどきどきし始めた。「これはやばい、ちょっと無理かな」と考えて、もっと優しいコースから徐々に始めることにした。

次に行ったのが、グラウス・マウンテンよりは優しいがその分距離が長い(往復9キロ)マウント・シーモア(Mt. Seymour)。このコースは市内から車で約1時間、ノース・バンクーバーをさらに北に行く。標高1,499メートルの第1ピークまで登れば360度の素晴らしい景色が楽しめる。

次回は子ども連れなどでも気軽に行けるおすすめのハイキングコースをいくつかご紹介したい。

[カナダで再出発]

武田 彰
滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。