アメリカの年末年始の風物詩の一つは、大学アメフトのボウルゲームです。今季は12月17日から今月9日まで、実に41試合が開催されました。ボウルゲームはレギュラーシーズンを好成績で終えたチームに対するごほうびのようなもので、大半は温暖地で開催。近年はバハマでも行われています。ボウルゲームに出場して全米優勝を狙えるのは、レギュラーシーズンとカンファレンス優勝戦の結果を踏まえてプレーオフ選考委員会が12月上旬に発表する4校のみです。
今季12勝1敗の成績でPac-12優勝を果たしたワシントン大学は第4シードに選ばれ、大晦日開催のピーチボウルで第1シードのアラバマ大学と対戦しました。開催地のアトランタはアラバマ大学から車で3時間程度。観客の大多数が敵のファンという不利な状況で、ハスキーズは先制点を奪いましたが、それ以降は全米トップの守備に封じ込まれ、24-7で準決勝敗退となりました。もう1試合は、フィエスタボウルでクレムソン大学がオハイオ州立大学に完封勝ち。2年連続で同じ顔合わせとなった優勝戦では、クレムソン大学が試合残り1秒の土壇場で再々逆転のタッチダウンを決め、昨季の雪辱を果たしました。
大学アメフトに4チームによるプレーオフが導入されたのは比較的最近で2013年から。準決勝の2試合は3年ごとに6つの由緒あるボウルゲームで交互開催しています。今季はピーチボウルとフィエスタボウル、来季はローズボウルとシュガーボウル、その次はオレンジボウルとコットンボウルの順です。その中でも今季で第103 回目を迎えたローズボウルは全米最古の歴史を誇り、ボウルゲームの元祖とも呼ばれています。試合は毎年元日(元日が日曜日なら2日)に開催され、当日朝に花のフロートがパサデナ(カリフォルニア州)の町を彩るローズパレードも有名です。
ローズボウルでは、通常Pac-12とBig 10の優勝校が対戦します。ただ今季はPac-12王者のハスキーズがピーチボウルに出場したため、USCが出場。地元開催ともあり、ほぼホームゲームの雰囲気の中、ペンシルベニア州立大学を52-49で下しました。USCは今季レギュラーシーズンでハスキーズが唯一敗れた相手。シーズン序盤にまだ1年生のQBサム・ダーノルドを先発起用し始めてから絶好調で、早くも来季のPac-12優勝候補に挙げられています。
来季ハスキーズが全米優勝するにはPac-12二連覇は必須。その上でプレーオフ出場チームに選出されれば、Pac-12の王者としてローズボウルで準決勝に臨めるかもしれません。そうなれば、シアトルからも行きやすく、応援に向かうファンも多いはず。来季への期待は膨らむばかりです。
[スポーツウォッチング]