米国政府やワシントン州による経済刺激対策含め、さまざまな救済措置、助成プログラムが提供されています。いざという時のために知っておきたいポイントをまとめました。
※2020年5月4日現在。各行政ウェブサイト掲載内容を日本語でまとめたものです。最新情報や詳細は、各行政ウェブサイトを確認するか、専門家までお問い合わせください。
1,200ドルの現金給付
3月27日に成立したCARES Act(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act)から、ひとり1,200ドル(17歳未満500ドル)の現金給付が始まっている。外国籍でも、アメリカの居住者で社会保障番号を持つ就業資格者であれば給付対象に。ただし、所得制限があり、2019年(同年が未申告なら2018年)の確定申告に基づく年間所得が、個人での申告で7万5,000ドルを超えると減額となり、9万9,000ドルより多い場合は全く受け取れない。扶養家族がいる世帯主の場合は、家族構成などによって異なる。IRS(米税務省)に銀行口座を直接登録している納税者や年金受給者は、自動的にその口座に振り込まれるが、そうでない場合はIRSの特設サイトから直接申請することができる。
詳細:www.irs.gov/coronavirus/economic-impact-payments
失業手当拡充、パートタイマーやフリーランスも対象
CARES Actにより、失業手当の対象者や内容も拡充されている。通常は対象にならない自営業者、フリーランス、ギグワーカー(インターネットやアプリなどを通じて単発で仕事を請け負う労働者)などの個人事業主、また年間の労働時間が680時間に満たないパートタイム勤務者も、新型コロナの影響で失職した場合は給付対象となる。給付期間も通常の26週間から最大39週間に延長可。さらに、失業前の収入によって算出される通常の手当に加えて7月25日までの期間、毎週600ドルの特別定額失業手当が付く。
詳細:https://esd.wa.gov/newsroom/covid-19
一時的な解雇や労働時間削減でも失業手当の対象に
ワシントン州雇用安定局では2つの助成プログラムを設定。シェアードワーク・プログラム(https://esd.wa.gov/SharedWork)では、常勤雇用の従業員が1〜5割の労働時間減少により給料が下がった場合でも、失業手当の給付対象となる。利用には、企業側が2名以上の対象従業員を登録することが必要で、承認されると1年間有効。また、一時的な解雇の場合、その従業員が求職活動実績を報告することなく失業手当を受けられるスタンドバイ・プログラムも用意されている。こちらは自宅待機命令の期間中に限り、利用のための登録は不要。
詳細:https://esd.wa.gov
公共料金支払いについての特別措置
シアトル市で水道を管理するシアトル・パブリック・ユーティリティー(SPU)と、電力を管理するシアトル・シティー・ライト(SCL)では収入に応じた割引支援としてユーティリティー・ディスカウント・プログラムを提供。電気代は最大6割減、水道代は最大5割減となる。条件にもよるが、承認されると平均2年間有効。自治体により対応は異なるため、各地域の情報はウェブサイトなどで確認を。
詳細:www.seattle.gov/humanservices/services-and-programs/affordability-and-livability/utility-discount-program
米国中小企業庁からの特別融資
米国中小企業庁からは、従業員500名以下の組織に向けた特別融資プログラム(EIDLs:Economic Injury and Disaster Loans、PPP:Paycheck Protection Programなど)がある。EIDLsでは企業で3.75%、非営利団体で2.75%の低利子で貸付を受けられ、前払い金として最大1万ドルの補助金(Emergency Economic Injury Grants)も併せて申請できる。またPPPによる融資は、従業員の給与支払いなどに充てることで、返済が規定範囲内で免除されるもの。自営業者やフリーランスなども対象になる。一時停止されていたが、4月27日から再開されている。申請期限は6月30日、もしくは財源がなくなり次第。必要があれば早めの申請を。EIDLsは米国中小企業庁ウェブサイトから、PPPは銀行などから申請できる。
詳細:www.sba.gov