シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。
🏋️アスリートのお尻の鍛え方🏃
さあ2024年、エクササイズは始めていますか? 「今年こそは美ボディーを」と、新年の誓いを立てた方も多いのではないでしょうか。今回はダイエッターの美ボディーではなく、趣向を変えて、アスリートの体作りを紹介します。
アスリートは競技中の動作をサポートするために体作りをします。「魅せる筋肉」ではなく「使える筋肉」に仕上げるわけですが、その結果、見栄えも良い筋肉に整っていきます。
特筆したいのはお尻です。走る、跳ぶ、方向転換というアスリートの技術に、お尻の筋力は欠かせません。使う頻度が高いため、形も良くなります。一般の方でも、アスリートのようなお尻の筋肉があれば、見た目がきれいなのはもちろん、歩く、階段を上るという動作が楽にでき、さらには、膝や腰の痛みも軽減されていきます。
では、なぜ一般の人はお尻の筋肉が育ちにくいのでしょう。それは、股関節屈筋群の大腿四頭筋や腸腰筋などが硬いから。股関節屈筋は太ももと腰の角度が狭まった状態、つまり座っていると収縮するため、座る時間が長いと、お尻の筋肉を使いません。歩幅は短くなり、ますますお尻の筋肉が使えない状態に。腰痛を引き起こし、背筋を伸ばして歩くのさえ困難になるケースも見られます。
アスリートの場合、トレーニング中に股関節屈筋を伸ばす動作を多く行います。これは同時に、お尻の筋肉を使えるようにする目的もあります。一般の人も、股関節屈筋を伸ばし、お尻の筋肉を使えるようにすれば、歩行、階段の上り下りほか、立っている時もお尻の筋肉が成長していきます。
右の3つは、ポイントを理解すれば、どこでも誰にでもできるお尻のエクササイズです。股関節屈筋を伸ばし、お尻の筋肉を刺激していきましょう。腰や太ももの前辺りに張りが感じられたらOK。お尻の筋肉に刺激が感じられない場合は、指で突いて、筋肉がちゃんと硬くなっているか確認を。別のお尻のエクササイズを行う際は、その前に試してみてください。
今月のトレーニング
STEP 1
スプリット・ホールド 左右30秒を3セット
足を前後に開き、腰を落とした状態を保ちます。注意点は後ろ足。後ろ足の膝がお尻よりも後ろにあること、後ろ足のつま先が真っすぐ正面を向いていることを確認してください。背筋をしっかり伸ばすと呼吸しやすくなります。30秒経ったら軽く休憩を挟み、足を入れ替えて。バランスに自信のない方は、壁やテーブルなどの近くで行いましょう。
STEP 2
スプリット・ベンチホールド 左右30秒を3セット
1と同じ姿勢で行いますが、前足を踏み台の上など高めの位置に置き、負荷を増やします。
1と同じく、後ろ足の膝はお尻よりも後ろに、つま先は真っすぐ正面に向けて。呼吸確保のため、背筋を伸ばしましょう。椅子や階段を活用するなら、立ったときのスネの高さにあるのが理想。30秒ごとに休憩を挟み、足を入れ替えます。バランスの要素も入るので、壁またはテーブルなどの近くで行うと安心です。
STEP 3
スプリット・ベンチホールド・プレス 左右8回を3セット
踏み台を用意し、2と同じ姿勢でショルダープレスを行います。ダンベルを持つのは後ろ足と同じ側の手です。バランスを保ちながらゆっくりとダンベルを上下させていきます。頭上では肘を伸ばしましょう。後ろ足のお尻を意識するとバランスが取りやすくなります。8回終えたら手足を左右入れ替え、再び取り組みましょう。1回につき5秒はかけるように心がけてください。
※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。
写真クレジット:Kota Shimada
※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。
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