キネシオロジーテーピング(Kinesiology Taping)について話したいと思います。
よくオリンピックやスポーツの競技などで選手たちがカラフルなテープをしてパフォーマンスしている様子をテレビで見たことがあると思います(図1)。
そんなときにまず思い浮かべることは、「ああ、あの選手はどこかケガをしているんだ」ではないでしょうか。それも間違いではないのですが、多くの場合アスリートは、テーピングで身体の弱い部分の補強やサポートまたは硬い筋肉のストレッチをし、左右のバランスを均等に保つことでケガを未然に防いでいるのです。そこで今回はキネシオロジーテーピング(以下、テーピング)の目的や使用法を簡単に説明します。
ケガをした所にテーピングをする目的
キネシオテープは伸縮性があるので、テーピングをしてもある程度は関節の動きをキープできます。これによって補強をしながら関節の動きを保てるため、リハビリの効果が上がり、筋肉の弱体化も防げます。前回のコラムでも書いたように、ケガをすると患部に炎症が起きて腫れますが、テーピングをすることで腫れが早く引きます(図2)。
ケガをしていないときにテーピングをする目的と使用法
キネシオテープは伸縮性に加えて強い粘着力があります。この特性を使って、例えば筋肉が硬く収縮している場合、その筋肉を伸ばした状態でテープを貼ると、貼っている間は、筋肉にストレッチングの効果が持続することになります。私も、よく使用する腕の筋肉にテーピングをしますが、貼るだけでもかなり楽になります(図3)。
伸縮性と粘着力をうまく利用することで、弱い部分の補強、固まった筋肉のストレッチ、そして不安定な関節のサポートができます。
最後に、あまり知られていないキネシオテープの使い方の例として、妊婦さんをあげたいと思います。図4を見てください。胎児の重さで下がってしまったお腹を、サポートするようにテーピングをすることで腰の負担を大きく減らすことができます。
この他にも肩凝りや首の痛み、膝や肩甲骨のサポートなどキネシオテープの使用法はたくさんあり、効果的です。最近では、インターネットでも簡単に買えるので、一般の人が使用しているのを見かけますが、テーピングの正しいやり方を知らないと、逆効果になったり、テーピングによる皮膚炎なども起こり得るので注意が必要です。
[パク先生カイロプラクティック]