血行促進やデトックス効果が期待できるとして美容界で注目されているカッピング。今年2月、レドモンドにオープンした、ここちマッサージクリニックで、実際に体験してきました。
取材・文:室橋美佐
透明カップを身体のツボに置いて気圧を下げ、皮膚とその下の血管を引っ張るカッピングの施術は、東洋医療の一種で「吸い玉」とも呼ばれる。リオ五輪中に、多くのアスリートが円いカップ痕を全身に付けて出場したことで話題となった。
「マッサージでは圧(お)してコリをほぐしますが、カッピングは強く引っ張ることで滞っている血流を促します。老廃物を体外に排出する効果もあり、皮膚から汚物が浮き出てくることもあります」と、説明するのはセラピストの中村 綾さん。レドモンドにあるマッサージクリニックで、スウェディッシュ・マッサージと組み合わせたカッピングの施術を行っている。綾さん自身も長年にわたってカッピングを受けており、その効果を実感しているのだという。「3分間のカッピングで通常のマッサージ30分の効果とも言われています」
綾さんによる施術ではまず、オイルを使ったスウェディッシュ・マッサージで上半身をほぐしていく。マッサージは腕全体を使い、面で圧すスタイル。施術台は暖かく、全身がポカポカになって、すっかり夢心地に。マッサージ後は、慢性的な肩コリに悩む筆者の希望で、肩と背中を中心にカッピングを行ってもらうことに。機材を使い、腰から肩にかけてカップを肌に滑らせる。「血行が良いところはカップがなめらかに滑りますが、悪いところはカップが滑らなくなるんです」という綾さんの説明の通り、コリを感じるポイントでカップが止まった。しばらくカップを置いて吸引していくと、周辺が温かく火照ってくる。痛みはほとんどなく、マッサージとはまた違う気持ち良さだ。
「太ももや腹回りなど気になる部分に複数回の施術をすることで、セルライトも少しずつ消えていきます。むくみやすいふくらはぎも、カッピングですっきりしますよ」と、綾さん。そのダイエットや美容の効果も人気の理由だという。筆者も、美顔効果が期待できるとされる顔カッピングに挑戦!仰向けになり、首周辺のマッサージ後、小さなシリコン製カップでデコルテから顔全体までを軽く吸引してもらう。「顔回りは痕ができないよう、軽い施術になります。それでも、リンパ液の流れを促進してフェイスラインを引き締め、シワやシミの予防ができます」
1時間の施術を終えると、全身が軽くなり、気分爽快。肩と背中のカップ痕は痛々しく見えるものの、実際のところは何も感じない。施術当日に激しい運動を控えれば、もみ返しもほとんどないという。夏の疲れが溜まっている方も、ぜひカッピングを試してみて欲しい。
ここちマッサージクリニック Cocochi Massage Clinic
16828 NE. 79th St., Redmond, WA 98052
診療時間:9am ~2pm(日曜は5pm まで) 休診:水土
☎425-243-4502 cocochi@massagetherapy.com
ウェブサイト:www.cocochi.massagetherapy.com