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イヤーキャンドル

今回はキャンドルの話をしようと思う。
イヤーキャンドル(Ear Candle )という言葉を聞いたことがあるだろうか? 授業中にこの言葉を聞いた時、思い浮かんだのは、耳垢で作られたロウソクだった。それまで聞いたこともなければ、実物を見たこともなかった。

イヤーキャンドルは、ちくわのように真ん中に穴が開いているロウソクで、片方の端がもう一方の端よりも少し大きくなっている。頭を横にして、一方の端に火をつけて火がついていない方を耳の穴に差し込んで15分ほどその状態のままにする。やがてキャンドルから出る煙と温かい空気が、硬くなった耳垢を柔らかくし、さらに耳垢を吸引する効果が生まれて、身体が耳垢を排出しようとする自然の摂理も手伝って耳垢を除去するものだという。講師の説明を聞いて混乱してしまった。耳垢を除去するのにキャンドルを使用するなんて、おまけに灯のついたキャンドルを耳穴に入れるなんて、常識では考えられない。

耳にいい話20160625-min

今までの研究結果で、イヤーキャンドル後に出てきたものは耳垢ではなく、ごみと溶けたロウソクの塊だということが証明されている。また、これによって顔や髪や頭皮や鼓膜にやけどを負ったり、ロウが耳穴にたまったり、鼓膜が破れたりして、救急に行く羽目になることもよくあるようだ。イヤーキャンドルは耳垢除去だけにとまらず、蓄膿症、耳の炎症、耳鳴りやめまいの軽減、それに脳の強化に良いというようにも伝えられているが、実際にはそうした効果は皆無だということが専門家によって証明され、発表されている。
にもかかわらず、自宅で1人で行うキットなどが、Amazonをはじめ、様々なオンラインショップで販売されている。最近人気の高級感漂うスパでも、イヤーキャンドルのサービスが施されているそうだ。客は横になり、耳の部分だけが開いた布を顔の周囲にかけてもらい、イヤーキャンドルを焚いた状態で顔や肩をマッサージしてもらうところもあるそうだ。

イヤーキャンドルの商品名に、ホピ(Hopi)という名前がついていることがあるが、ネイティブアメリカンのホピ部族とは全く無関係だ。この手法がいつどこで始まったのか、まったく分かっていない。昔の中国やギリシャやエジプト、はたまたアメリカインディアン達が使っていたという噂もあるが、真相はなぞだ。いずれにせよ、ロウソクは耳から離して置いておくことをおすすめする。

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