今回は線維筋痛症(せんいきんつうしょう)、英語ではFibromyalgiaという症状について話したいと思います。あまり聞いたことがないという方もいるでしょうが、中高年の方で特に女性に多く、また関節リウマチを持つ方には発生率が多い病気です。
この病気の厄介なところは、原因が未だに不明だということと、症例の幅があまりに広くて、どこまでがこの病気に当てはまるのかよく分からないところにあります。
まず代表的な症状をいくつか挙げてみましょう。身体の複数の箇所に筋肉痛と関節痛が起こるのがいちばん多い症状で、診察時に痛みのある圧痛点が11カ所以上の場合、線維筋痛症と診断されるでしょう。ほかにも、手足への痛み、指の震え、しびれ、疲労感、呼吸困難、不安定感、焦燥感、睡眠障害、集中力低下など。数え上げればキリがないほど、いろんな症状があります。身体のあちこちが痛いので、活動をするのがしんどくなり、行動力が低下。1日中だるい、といった症状もよく見られるので、ストレスや慢性疲労症候群(まんせいひろうしょうこうぐん)だと思っている方も多いと言います。
これまでの話だと、カイロプラクティックとどういう関係が?と、思われるかもしれませんね。ですが、カイロプラクティックのクリニックで線維筋痛症のペインマネジメントをする場合が多く、実際に症状の改善につながるケースはありますし、研究もされています。まず、関節や脊椎の矯正は関節のプレッシャーを減らし、関節痛の軽減につながります。また関節のゆがみをなくすことによって、筋肉の緊張を減らし、筋肉痛の改善にもなります。
身体が痛いとどうしても、活動的にはなれないのですが、線維筋痛症の場合は運動をすることで改善が見込める病気です。同じ症状を持つ患者さんたちに有酸素運動をさせたところ、痛みの改善や気力の向上、そして疲労感や呼吸器官の回復があったケーススタディが多く見られます。
では、どんな運動をどれだけすればいいのか?これを特定するのに役立つ方法があります。それはS.M.A.R.T.ゴールと呼ばれる運動管理の方法です。Specific=明確であり、Measurable=測定でき、Achievable=達成可能であり、Realistic=現実的であり、Timeframe=期限を定める。つまり、歩くと決めたら、1日に1キロまたは500メートル、週に最低2回、など実現可能な範囲で、目に見えるゴールを決めると、達成感にもつながりますし、距離や時間を増やす、または減らすなどの改良ができます。
原因がわからず、身体の数カ所が常に痛いというのはとてもつらく、気持ちが沈み込んでしまいそうになりますが、現状でもできる小さなことを何か始めると、健康へとつながることもあります。身体が痛い場合に運動を始めるときは、必ず医師に相談してからにしましょう!
[パク先生カイロプラクティック]