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腰痛を回避・予防するには

長年の医療統計でも、ケガの中で腰が80%と圧倒的に多く、腰痛による傷病休暇(Medical Leave)が最多とされています。私のクリニックでも、傷病休暇用の診断書のほとんどが、ひどい腰痛によるものです。一般的に、長年の負担が積み重なって腰の筋肉が弱くなったり、腰椎や骨盤の関節が変質(Degeneration)を起こして神経を圧迫していたりするとケガをしやすくなります。腰痛を最初に訴える方の年齢は、35歳から50歳の間が多いようです。最近では若い方でも、良くない姿勢からくる筋肉の偏りや、運動不足による腰の可動範囲の低下が原因で、ギックリ腰になったり、急性腰椎椎間板ヘルニア(Acute Lumbar Disc Herniation)や椎間関節症候群(Facet Syndrome)になったりするケースが多々あります。

私も恥ずかしながら、20代後半の時、床の紙を拾おうとして軽いギックリ腰になったことがあります。そう、紙を拾って(笑)。廊下に紙が落ちていたのですが、最初素通りしたあとで思い直して腰をくるっと曲げ、拾ったところでグキッとなったのです。腰を曲げた後に起き上がる負担はかなりのものです。

写真1

写真1を見てください。同じ物を同じ位置で持ち上げたときの体勢によって、腰にかかる負担の違いは相当なものがあります。写真1の左側のように、うっかり重い物を持ち上げてしまうと急性腰椎椎間板ヘルニアになる恐れがあります。症状としては、激しい痛み、下半身の放散痛などがあり、腰を前に曲げるとディスクを圧迫して神経痛が増す場合が多いです。

写真2

ここまでは、たくさんの方が気を付けていることでしょう。さらに持ち上げた後、物を運ぶときの姿勢も大切です。腰を前に曲げたら危ない、ということは知っているので、逆に後ろにそらす方がいます(写真2)。女性の場合、腕に力が弱い方は腰をそらして、大きな荷物を運ぶのをたまに見ます。こうすると、腕の負担が減り楽に運べますが、腰椎の関節に負担をかけ、急性の激しい痛みを伴うケガをする場合があります。それを椎間関節症候群(Facet Syndrome)と言います。これも激しい痛みと放散痛がありますが、逆に腰を屈曲させると、炎症が起きた関節が開いて痛みが和らぎます。ヘルニアとは治療法が異なります。

どちらも、姿勢を日頃から気を付けることによって回避、または予防できます。ぜひ今回のコラムを参考にしてみてください。

朴俊秀 (パク・ジュンス)
韓国(ソウル)生まれ。5才から中学卒業まで日本で育ち、高校からはアメリカで過ごす。 Southern California University of Health SciencesでDoctor of Chiropracticを専攻、VA Greater Los Angeles Health-care Center、VA Sepulveda Ambulatory Hospital 等の総合病院で、Professional Health Trainingを取得。 アクアセラピー(水中リハビリエキササイズ)のインストラクター等、リハビリの経験も多数。 Best Care Chiropractic 32020 1st Ave. S., Suite 114 Federal Way, WA 98003 ☎ 253-838-2744