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シニア・カフェ ~高齢者を対象とする新たなコミュニティー~私たちの命を守るヘルスケア

がん患者だけでなく、悩める人たちの心身の健康をサポート。現在のアメリカの医療環境で今、私たちができることを探ります。

シニア・カフェ ~高齢者を対象とする新たなコミュニティー~


在米日本人、日系人の健康と医療を支えるNPO「FLAT・ふらっと」で新しく始めたプロジェクト、「シニア・カフェ」のアドバイザーを務める米国老年医学専門医の山田悠史です。毎月第1水曜日に定期開催しているこのカフェは、高齢者の皆さんにリラックスした雰囲気の中、身近な日常生活の話題から認知症などの健康問題まで、ざっくばらんに話し合ってもらえるオンライン・コミュニティーです。高齢者の社交の場であり、また、さまざまな健康問題について情報を共有し合える場としても機能しています。
これまで数回実施した中でよく話題に上るのが、認知症の予防、サプリメントの適切な利用、骨粗しょう症との向き合い方、内服薬の注意点、大気汚染問題への対処など。現代社会で高齢者が直面する可能性の高い課題が中心です。一方で「米国で納豆を自作するには」といった、食べ物や料理のトピックで盛り上がることもありました。
シニア・カフェは毎回1時間半ほど行われ、前半はファシリテーターの司会で参加者の皆さんが交流。後半は医師のアドバイザーも加わり、参加者からの質問に、科学的根拠を基に回答する形で進行します。私以外にも、FLAT・ふらっと代表で国際コーチ連盟認定ライフコーチのブロディー愛子などの専門家がアドバイザーやファシリテーターとして参加し、在米シニアの方々からの健康や生活に関する相談に応じると共に、介護を必要とする方の家族に対する支援も積極的に行っています。
全てをオンラインで提供することにより、地域や国境を越えた高齢者同士の交流も後押しします。アメリカ国内にとどまらず、世界各地から参加者が集まるようになれば、さまざまな異文化に触れる機会も増えるかもしれません。単に情報提供の場にすることなく、参加者の交流を促し、同世代の友人を求めている方々が新しい交友関係を築けるよう、また、このカフェが孤独感を軽減する心の支えとなるよう尽力したいと考えています。
カフェ参加者の皆さんにお願いしているのが、必ずカメラをオンにすること。お互いに顔を見ながら話をすれば、オンラインであっても直接会っているかのように、コミュニケーションを取りやすくなります。途中参加や途中退出は自由。それぞれの都合や体調に合わせて参加できます。
シニアがより自分らしい人生を送り、学び、交流を通じて社会とつながり続けること。このプロジェクトによって、そのためのお手伝いができればと願っています。ここには、余生を豊かに過ごすための情報、共感し合える仲間たち、新しい友人が待っています。地域コミュニティーの活性化、国際交流の促進、健康生活のサポートと、多岐にわたる役割を果たす新しいプラットフォームに、ぜひご参加ください。その一歩が、人生の新章の始まりになるかもしれません。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。
一般的にシニア(高齢者)は65歳以上の方を指しますが、当シニア・カフェは60歳からご参加いただけます。詳細、申し込みは下記ウェブサイトにて。

シニア・カフェ
www.flatjp.org/cafe-senior
参加にはウェブサイトの登録フォームまたはinfo@flatjp.orgへのメールにて連絡を。

健康の大疑問 著者山田悠史出版社マガジンハウス新書
山田悠史■米国老年医学専門医。マウントサイナイ医科大学老年医学・緩和医療科所属。ニューヨークで臨床医として活躍する傍ら、日本のニュース・メディア「NewsPicks」の公式コメンテーター。また、講談社ウェブ・マガジン「mi-mollet(ミモレ)」での連載や、音声コンテンツ「医者のいらないラジオ」配信なども行い、多岐にわたって活動。2023年1月に上梓された『健康の大疑問』(マガジンハウス新書)が絶賛発売中。在米日本人の生活と医療を支えるNPO、FLAT・ふらっとの代表メンバー。
FLAT・ふらっと
2013年から続く乳がん・婦人科がん患者サポート団体のJapanese SHAREが、2023年4月1日より、ニューヨークを拠点とした非営利団体、FLAT・ふらっとに活動の場を移行。乳がん・婦人科がんのほか全てのがん患者、高齢者、スペシャルニーズのある子どもの保護者を対象とし、在米日本人コミュニティーを健康と医療の面から支える。