正しい歩き方
健康のために毎日歩いたり、ジョギングをする人はたくさんいますが、正しい歩き方を学ぼうとする人は少数です。ですが、どんなスポーツでも正しくないフォームで長時間行うと体に無理がくるのと同じように、普段の歩き方も偏りや良くない癖があると、膝や腰に悪影響を与えることになります。
医療ジャーナルによりますと、悪い歩き方が最も影響を与えるのは「膝」だという研究結果があります。その次に腰、そして股関節だそうです。
そこで、今回は歩き方について話したいと思います。みなさんは普段、自分がどのように歩いているか気にかけたことがありますか? 内またで、足のつま先が内側に向き八の字で歩く人、逆にガニ股で反対につま先が外側に回っている人、廊下を歩くときにガンガンかかとで音を立てて歩くひと、対照的に静かにすり足で歩く人、などなど。歩き方ひとつでも、その人の個性が現れます。
図1を見てください。足がどのように地面についてるかによって、膝の角度や股関節の可動範囲、そして骨盤周辺の筋肉にまで影響を与えているのがわかります。もう少し詳しく説明しますと、足が内側にペタッと地面についてる状態だと、膝も内また寄りになって屈折しにくくなります。よって、股関節の周りが悪くなり骨盤の周辺の筋肉にも悪影響を与えていると言えるでしょう。
反対にガニ股の場合では、足の外側に重心がかかることになり、膝や股関節の位置と角度は反対になりますが、これも悪影響を与えています(図2)。前者を英語で「Genu Valgum」、後者を「Genu Varus」と呼び、日本語では外反膝と内反膝と言います。
次に歩行周期(Gait Cycle)についてお話しします(図3)。歩行周期とは歩く時の足の位置と時間(周期)を理想的な長さで表しているものです。まず最初にかかとが地面につきます、そして足の裏全体で地面を踏みしめて、最後につま先で押し上げます。図にあるように、足の裏全体が地面についている時(Mid-stance)が40%と一番長く、この時に全体重を片足に乗せることになるので内またやガニ股になっていると、膝や他の関節に悪影響を与えることになります。ちなみに、生まれつき偏平足の方は専用の矯正具(Orthotics)が必要になります。
話がややこしくなってきたので、簡単にできる練習方法をお教えします。まず、まっすぐ安全に歩ける場所(公園など)で線などがあると目安にしやすいです。ゆっくりとまっすぐ歩き出しますが、しっかりとかかとから着地して、足の裏全体で地面をしっかりと踏みます。この時に膝が内側や外側に曲がっていないか確認します。そしてつま先(特に親指)でしっかりと踏み出してください。周期は3:4:3を意識します。これをずっと続けていくと、無意識でも理想の周期と足の位置が身に付きます。
最後に、練習がうまくいっているか確認する方法をお教えします。長く履いている運動靴の裏を見てみてください、正しい歩き方が身についている人は、かかとの外側とつま先の親指の方が摩耗しているはずです。反対にかかとの内側やつま先の外側がすり減っている方は、歩き方を練習し直す必要があります。
[パク先生カイロプラクティック]