今回は背中と腰の脊椎に異常な湾曲ができる脊柱側弯症(Scoliosis)について話したいと思います。最近、十代の子どもに、首の異常なカーブに次いでたくさんみられる症状です。
患者さんから、ご自分のお子さんが勉強する時、机にきちんと座らないで寝そべっていたり、または片肘をついて問題を解くという話をよく聞きます。診察をしてほしいという事で来てもらうと、まだ十代前半なのに首が痛い、肩が凝る、背中や腰が痛いなど、大人と同じような症状があります。触診の結果、脊椎がまっすぐではないと判断し、レントゲンを撮ってもらうと、背中から腰にかけて湾曲がありました。図1が後ろから見た正常な脊椎(左)と湾曲した脊椎(右)です。この湾曲した状態を脊柱側弯症といいます。
通常、脊柱側弯症は一見しただけではほとんどわかりません。見るからに曲がってる時はかなり症状がひどい状態だという事になります。
ある時「中学生の子どもの姿勢がよくない。座ってる時に偏って見える」ということで診察をしたのですが、レントゲンを撮ったところ見た目よりもはるかに湾曲がひどく、その子の親も私も驚いた事がありました。
脊椎からは身体中の筋肉や内臓に神経が伸びています。したがって、湾曲すると筋肉の発達の偏り、内臓機能の低下、免疫力の低下などの原因になり、健康な身体の成長の妨げにもつながります。
遺伝的なものや原因不明などで、深刻な場合は、特殊な矯正装具やコル
セットをする場合も稀にありますが、ほとんどの場合は、姿勢を直すことや、運動をすることで改善できます。
そこで、自宅でも簡単にできる湾曲の見分け方を紹介したいと思います。
まっすぐ立った時に後ろからみて、頭の傾き、肩の高さ、肩甲骨の位置、脊椎がまっすぐかどうかを図1を参照して確認してみて下さい。次に腰を前に曲げて背中や肩甲骨の高さを比べてみて下さい(図2)。真っ直ぐ立った時に左右が対称でなく、腰を曲げた時も対称でない場合は、脊柱側弯症の可能性があります。また、立っている時は左右が対称でなく、腰を曲げると高さが同じ場合は、骨の湾曲よりも左右の筋肉の偏りが原因の可能性が高いと思われます。立った時はまっすぐだったのに、腰をまげると対称ではなくなった時も脊柱側弯症の可能性があります。(注:あくまでも可能性なので、正確な診断はクリニックでして下さい)
脊椎のケアは大人やお年寄りはもちろんですが、むしろ、まだ身体が成長過程にある子どもたちにとって、とても大切です。普段から姿勢が良くないお子さんがいらっしゃる場合は一度チェックしてみる事をおすすめします。
[パク先生カイロプラクティック]