今回は、痛みやケガの原因になりうる日頃の良くない習慣や姿勢と、その簡単な対処法を説明したいと思います。
ケガには大きく分けて、マクロトラウマ(Macro trauma)とマイクロトラウマ(Micro trauma)の2つがあります。言葉通りに、巨大なトラウマと極小のトラウマという意味ですが、簡単に例えるとマクロトラウマには交通事故、ぎっくり腰、ねんざ、突き指などがあり、患部が痛むため分かりやすく、骨折などがない場合には早く治療すれば症状も早く改善します。
それとは対照的に、マイクロトラウマは長い年月が経たないと身体がそのダメージに気付かない上、気付いた時はすでに脊椎や間接の変質(Degeneration)がかなり進んだ後、というケースが多々あり、やっかいです。患者さんで、「なぜ痛いのかよく分からないけど、数年ほど前から調子が悪くて最近では痛みを我慢できなくなった」というのがこの例です。主な件としては、近年最も多い、スマートフォンなどの使用で常に下を向く姿勢や、コンピュータ作業などで指や手首が曲がりっぱなしになるもの、または長時間座りっぱなしが原因で骨盤が傾く、などがあります。これらの姿勢は近年急増している首と腰の椎間板の痛みの主な原因となっています。
このように極小の積み重ねが、後々にひどい痛みを引き起こし、最悪の場合手術までしないといけない事態を招く事があります。ですが、これらの対処法は実はすごく簡単です。まずは下を向かないように環境を改善することです。モニターを目の高さまで上げる、または低い椅子に座って作業時の目線を上げる。スマホのように手で持ち上がるものなら持ち上げて使う。こうすれば目線が上がり、自然と背筋も伸びます。もし環境を変える事ができない場合は、2~3時間に1度、ブルーガーエクササイズと呼ばれる運動を試してみて下さい。
① 壁に背を向けて立つ。
② 足幅は肩幅程度に広げて、かかと、お尻、背中、後頭部を壁につける。
③ 両腕を伸ばして、できるだけ外側に(小指が上になるよう)回す。(作業時はいつも内側に回っているので)指もピンと伸ばして手を広げる。
④ この状態を維持したまま肩甲骨を寄せる。
⑤ 深呼吸しながら、この姿勢を20 秒ほど維持。
⑥ これを3 ~ 5 回繰り返す。
大きなケガをしなくても、日常の姿勢の悪さが身体にマイクロトラウマを与えるという事を忘れず、ぜひ日頃からメンテナンスして健康な身体を維持して下さい。すでに痛みを伴ってる方はぜひカイロプラクティックをお試しください。
注:今回の内容にはスポーツによるけがやトレーニングによるマイクロトラウマは含まれていません。
筆者プロフィール:朴俊秀(パク・ジュンス)
韓国(ソウル)生まれ。5才から中学卒業まで日本で育ち、高校からはアメリカで過ごす。 Southern California University of Health SciencesでDoctor of Chiropracticを専攻、VA Greater Los Angeles Health-care Center、VA Sepulveda Ambulatory Hospital 等の総合病院で、Professional Health Trainingを取得。 アクアセラピー(水中リハビリエキササイズ)のインストラクター等、リハビリの経験も多数。 Best Care Chiropractic 32020 1st Ave. S., Suite 114 Federal Way, WA 98003 ☎ 253-838-2744