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食事でコレステロールを軽減〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

食事でコレステロールを軽減

特定の食べ物が血中コレステロール値に影響すると言われていたのは昔の話。遺伝や糖尿病などの疾患がなければ、食事から摂取する分には体内のコレステロールや心臓疾患のリスクに影響しないことがわかっています。むしろ必要な食材を取り入れてコレステロールのバランスを良くするのが、健康への近道!

脂質と炭水化物の種類がカギ

コレステロールは、食事から摂取するものと、体内で生成されるものに分かれます。私たちが普段食べる卵、魚介、レバー、乳製品にはコレステロールがたくさん含まれています。体内では肝臓で作られ、ホルモンやビタミンD生成などに使われます。ワックスのような手触りが特徴です。

肝臓が作るコレステロールには種類があり、体への影響も異なります。LDL(Low-density Lipoprotein)はいわゆる悪玉コレステロールとされるもので、血管や臓器にコレステロールがばらまかれ、血栓、心臓疾患、脳卒中などのリスクを上げてしまいます。特に高血圧の方は、血管内で血栓になりやすいので要注意です。一方、HDL(High-density Lipoprotein)は善玉コレステロールとされ、血管や体内にあるコレステロールを集めて肝臓に送ることで血中のコレステロール値を下げ、心臓疾患リスクを軽減させます。

近年、コレステロールのLDLとHDLのバランスを良くするためのTLC (Therapeutic Lifestyle Change) ダイエットと呼ばれる食事療法が注目されています。次の通り、摂取する脂質と炭水化物に気を付けることが大切です。

コレステロール値に悪影響を及ぼす脂肪酸

飽和脂肪酸

バター、全脂肪乳製品、赤肉に豊富。悪玉コレステロール値を上げてしまうので、疾患のある方は1日総摂取カロリーの7%までに摂取量を抑えて。

トランス脂肪酸

マーガリン、ショートニング、市販のお菓子やペイストリー、加工食品に潜む。悪玉コレステロール値を上げるだけでなく善玉コレステロール値を下げてしまうので極力避けること。FDA(米食品医薬品局)では、1食当たり0.5グラム未満のトランス脂肪含有量であれば商品の栄養表示に記載する義務がなく0グラムと表示できるとしているため、注意が必要。

悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす植物性食品

食物繊維

食物繊維は、特に水溶性なら文句なし! 体内のコレステロールをまとめて腸から排出する役割を担う。豆類、サツマイモ、ブロッコリー、バナナ、リンゴ、オーツに豊富。

植物ステロール

コレステロールと似た構造を持ち、食事からのコレステロールの吸収を防ぐ働きをする。植物性油や種、ナッツ類に多く含まれる。植物ステロールを加えたシリアルやマーガリン、パンなども市販されている。1日2グラム程度の摂取で効果が期待できる。

不飽和脂肪酸

魚、アボカド、ナッツ、種、植物性油から摂取可能。コレステロールのバランスを整え、体内の炎症も抑える。毎日の食事にぜひ取り入れたい食材。

適切な体重をキープして健康に

食事以外に体重コントロールもコレステロールに影響大。ストレスも体脂肪も多いという方は酸化や炎症が起き、心臓に負担がかかって血圧は上昇し、血管の壁が傷付きやすくなります。その傷にベタベタしたコレステロールがたまっていく結果、血栓ができて心臓疾患や脳卒中のリスクも上がります。

5〜10%ほど体重を落とすと、高コレステロールなどのメタボ症候群の予防に。まずは、できる範囲で毎日体を動かすことを心がけてみましょう。

コレステロール値は遺伝と関係なく、食事療法で改善が可能です。管理栄養士などに相談して、個々に合った食事プランを作り、継続することが望まれます。コレステロールのバランスに気を付け、理想の体重維持を目指しましょう。


参考資料

  1. https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/fats-and-cholesterol/cholesterol/
  2. https://www.eatright.org/health/wellness/heart-and-cardiovascular-health/what-is-cholesterol#:~:text=Cook%20with%20vegetable%20oils%2C%20such,feta%20and%20part%2Dskim%20mozzarella.
  3. https://www.eatright.org/food/nutrition/dietary-guidelines-and-myplate/choose-healthy-fats
  4. https://www.healthline.com/nutrition/dietary-cholesterol-does-not-matter#effects
  5. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26864369/
  6. https://www.nhlbi.nih.gov/files/docs/public/heart/chol_tlc.pdf
  7. https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/fats-and-cholesterol/types-of-fat/
バリット 左由利
佐賀県出身。19歳の時に留学のため渡米。2015年に自然医療で知られるワシントン州のバスティア大学で栄養学を学んだ後、アイオワ州立大学での管理栄養士研修を経て米国管理栄養士の資格を取得。現在、フォーティー・ラブ・ニュートリションを個人で設立し、栄養カウンセリング、ワークショップ、ホルモン検査を通して30代以降の女性の美容、栄養管理、スローエイジング、ホルモンバランスの調整、デトックスをサポートする。 フォーティー・ラブ・ニュートリション ☎️206-234-4246、info@fortylovenutrition.com www.fortylovenutrition.com