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生産的な反省の方法

早いもので、もう12月。2015年も終わろうとしています。Aさんも、「時間がたつのが早すぎる。今年も何も達成できなかったような気がする」とおっしゃいます。Aさんはいわゆる自営業、フリーでお仕事をされています。ご主人は企業勤務で、生活費はご主人の収入でまかなえるのですが、子どもが2人いるので習い事や大学費用などを考えると、Aさん自身の収入も増やしたいと考え2年程前に起業されました。Aさん曰く「子どもも以前より手がかからなくなったと思うし、学校に行っている間は自分の時間や仕事に割ける時間は増えた。でも、思っていたほど仕事の結果につながっていない」とおっしゃいます。その他「何で自分はできないのだろう? 自分は負け組」といった言葉から、自己嫌悪のようなネガティブな感情も読み取れました。そこで、自分を責めるのではなく、生産的な反省の仕方についてお話をさせていただきました。

反省とは、自分の行動を振り返り、「何がいけなかったのか?」「なぜ失敗してしまったのか?」を分析し、同じ失敗をしないようにするために、「次はどうすればよいか?」を考えることです。その時に気をつけるのは、自分の行動が目的を達成するために効果があったかどうかを基準に考えることです。「頑張ったにも関わらず、結果が出なかった」という視点で考えるのと、「XXさんは認められたのに、私は駄目だった」とでは、反省から得られるものが異なってくるのです。

前者の場合では、自分が評価の軸になります。自分が立てた目標が現実的でなかったのかもしれないし、頑張り方の方向性がズレていたのかもしれない。結果を出すには努力が足りなかったのかもしれないし、色々準備はしたけど、計画を行動に移せていなかったのかもしれない、などというデータが得られます。つまり、自分の行動次第で結果を変えることができたかもしれないのです。

後者の場合では、自分以外の要素が言い訳としてあがりかねません。例えば、XXさんは良いコネクションを持っているし、子どもも大きいから自分よりも時間がある。英語も自分より上手だし、頭もよくセンスもある人だから……、といった具合です。次にどうすればよいのかを考えた時、後者では生産的なきちんとした答えが出てこなくなるのです。それでは、反省をする意味さえなくなってきます。

自分ができなかったことのあら探し(評価)をするのではなく、まずは行動にフォーカスして一年を振り返ってみることが大切です。Aさんがあげてくださった例だと、「自分を売り込むために○○会社の△△さんと会った」は行動です。「会ったは良いが、仕事にはつながらなかった」は結果・評価になります。一年の行動をすべて書き出し、それについてうまくいかなかった原因と、それを回避・フォローアップするためにできたであろう行動を書き出していくと、来年の自分に役立つアイデアが必ず出てきます。同じ失敗でも、成功につながる経験として積み上げていくことができれば、Aさんにも意味ある失敗として受け止めてもらえると思うのです。

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