Aさんは自分に厳しいためか、自己評価が低く、自信満々というタイプではありません。そんなAさんが、目標を立てるために相談にこられました。
目標を立てる際、1)目標が現実的である事(夢であってはならない)、2)目標は自分の現状よりも少し上の物である事(今まで通りやっていれば達成できる延長上にあるのではなく、自分の成長が感じられる物である)のバランスを考える必要があります。このさじ加減が、Aさんにとって難しいようでした。
Aさんは慎重で責任感の強いタイプです。そのせいか、目標が達成できなかった時の評価を心配してしまいがちです。上司からも、「もうちょっと冒険してみれば?」と言われるそうですが、その意味が良く解らないそうです。そこで、Aさんには「もし」という仮定を前提に、冒険をする練習をしてもらいました。
「もしAさんに30%増の能力があるとしたら、何を達成したいですか?」と問いかけた所、とりあえずの答えは出ましたが、その直後に「でも現実問題、自分には無理だと思います。だって・・・」と始まってしまいました。そこで、「それにトライした時に起こりうる最悪の事態が何か」を考えて頂きました。Aさんもそうでしたが、大概、最悪の事態に陥ったとしても「死にはしない」という事に、皆さん気づかれます。不安感やプレッシャーを感じる事はあっても「どうにかなるかも?」と思っていただければ、冒険への一歩になりえます。
Aさんの場合それでも不安はぬぐいきれないので、「最悪の事態に陥ってしまった時の具体的な対応策」を考えて頂きました。まずは「もしAさんの尊敬する人だったらどう対応するか」想像してもらいました。そして、Aさんも同じように出来ないか伺ってみた所「自分には無理だと思う」との事。では「もしも最悪の状況になった時、クレームが出るとしたら」どんな人が何を言うか想像してもらいました。その上で、Aさんがどう対応できるかシミュレーションをする事で、万が一の事態に陥っても慌てず対応できるように計画を立ててもらいました。対応策や解決案がすでにあれば、たとえ問題が起こってもパニックになる事はありません。慎重派のAさんにとって、前もって準備をしておいてから冒険をするやり方は親しみやすく、無事自分を成長させられる目標を設定できたようでした。
この練習は、初めの「もし~だったら」を色々入れ替えて考える事が出来ます。「もし時間がもう少しあったら」「もしお金に余裕があったら」「もし自分にもう少し勇気があったら」などです。
新しい年の始まりは「今年こそは!」と思う目標を掲げたり、やろうと思いつつも後回しになっていた事に取り掛かるには良いチャンスです。「もし」その目標に取り組まなかったら何が起きてしまうのかを考え、行動の指針にしてみるのもよいでしょう。
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