コミュニティー・カレッジから目指す
4年制大学編入
~エドモンズ・コミュニティー・カレッジの例~
2年間で準学士号を取得できる公立のコミュニティー・カレッジは、費用的な観点から入学がしやすく、4年制大学への編入準備に通う学生も多数。編入に力を入れるエドモンズ・コミュニティー・カレッジのインターナショナル・スチューデント・サービスでアソシエイト・ディレクターを務めるクローチ貴子さんに詳しく聞いてみました。
情報・写真提供:クローチ貴子
「編入を希望する学生のために、たくさんのサポートを用意しています」と話す貴子さん。たとえば、編入を希望する学生は、願書や教師からの推薦書のほかにパーソナル・ステートメントと呼ばれる自己推薦文の提出が必要だが、その書き方も丁寧に指導してくれる。成績だけではなく、評価の対象となるクラブ活動やボランティア、バイト現場での積極的な行動力も盛り込むのがポイントだそう。「多様な学生が求められる昨今、パーソナル・ステートメントでいかに自己アピールできるかが、志望校編入のカギとなります」と力説する。経験の幅を広げるための選択肢として、学内バイトは人気が高い。F-1ビザ(学生ビザ)ではキャンパス内に限り、週19時間までの就労が許されているため、留学生であっても、留学生支援室や障がい者支援室、ハウジング事務所、カフェテリアなど多岐にわたる求人に応募できる。
4年制大学への編入を目指す場合、大学や専攻によってはコミュニティー・カレッジで事前に履修すべき授業が決まっていることがある。TOEFLスコアの水準を満たしていれば、入学後すぐに履修できるが、英語力に自信のない学生はESLの英語クラスで自信を付けてから授業を受けることも可能だ。英会話やライティング添削などを無料で利用できる制度もある。こういった制度を利用しながら根気強く授業に取り組み、4年制大学への編入を実現した学生は多い。
求められるパーソナル・ステートメントや履修すべき授業の傾向は毎年変わる。同校では最新情報を学生へ伝えるため、全米80校もの担当者、関係者を招くイベントを年に2回開催し、情報のアップデートを行っている。「個人的にも情報収集が好きなので、毎回とても興味深く話を聞いています」と、貴子さんは楽しそうに説明する。編入を希望する学生には、1学期に1度はアドバイザーと共に志望校と併願校を見直し、合格に向けた対策を練るように勧めている。「編入ができず日本に帰国する学生が出ないように支援するのが私の役目。希望の専攻や、やりたい仕事が決まっていなくても、好きな授業やクラブ活動について話しながら興味のある分野を引き出し、将来のビジョンを一緒に固めていきます」。もちろん、4年制大学への編入ではなく、OPT(Optional Practical Training:専攻した分野と関連のある職種でインターンシップを行うための制度。エドモンズ・コミュニティー・カレッジでは1年までOPTの申請が可能)の選択も尊重し、希望する学生にはOPT申請のサポートを行っている。
このグローバル時代、若い人には今まで見えていなかった視点から日本を見て欲しいという思いで、留学支援に奔走する貴子さん。「異文化を経験し、他人への理解力がある優しい日本人が増えてくれたらうれしい。そのためにも、1度は海外生活を体験して欲しい」と話す。
エドモンズ・コミュニティー・カレッジでは要望があれば随時キャンパス・ツアーを行っている。また貴子さんは定期的に日本での留学説明会を行っており、事前の連絡で日本での相談も可能だ。
2020年度は1万2,000名の学生が通い、そのうちの10%は多国籍の留学生が占める。シアトルから車で25分の緑豊かな郊外に位置し、地域のレストランやカフェ、ショッピングセンターへのアクセスも良い。ローラースケート場、ボーリング場、ゴルフ場、アイススケート・リンクなど近隣のスポーツ施設へ歩いて行くこともでき、アクティビティーも盛ん。野球チームは地区大会で優勝する強豪校として有名で、スカウトも多く来るほど。野球留学で来ている学生もいる。コミュニティー・カレッジとしてはめずらしく寮があり、車椅子の学生でも暮らしやすいバリアフリー仕様。現在、新しい寮を建設中。
☎425-640-1414、takako.croce@email.edcc.edu(クローチ貴子)
www.edcc.edu