Home イベント情報 ユーモアも皮肉もたっぷり、...

ユーモアも皮肉もたっぷり、イケアの創業者がミュージカルとなって現る!「イングヴァル!(INGVAR!)」〜行ってきました

ユーモアも皮肉もたっぷり、イケアの創業者がミュージカルとなって現る!
「イングヴァル!(INGVAR!)」

取材・文西東円佳

7月26日から8月24日まで、スウェーデン発のヒットミュージカル「イングヴァル!:ミュージカル・ファーニチャー・サーガ」が英語版の世界初演としてシアトルセンターのアーモリー・ホールで上演されました。

かの有名なイケアの創業者、イングヴァル・カンプラードは、貧しい移民の子からどうやって世界で8番目に裕福な男になったのか。市場が大幅に低迷した最悪の状況下で、イングヴァルならどうするだろうか? とブローカーたちが歌と踊りを通して彼の人生の旅を観客に伝えていく。

© Elizabeth Ogle

主人公イングヴァルとしっかり者マグダレナの見事な掛け合いシーン

同作品はスカンディナビアで人気の資本主義風刺劇が初めて英語化され、歌と音楽のみで構成されたポップオペラスタイル。このたび英語版の世界初公演として、シアトルセンターに登場した。

幕が開くと、観客は瞬く間にその世界に引き込まれる。北欧の伝統的な嘆きの歌声が美しくおごそかに響き渡り、登場人物たちが不安定な経済の中で抱える絶望と不安、そしてその奥に見え隠れする希望が描かれる。作品後半にはなんと日本語でのセリフ(歌詞)も盛り込まれていた。

© Elizabeth Ogle

近距離でバイオリンの生演奏を聴けるのもミュージカルの楽しみの一

シアトルを拠点とする劇団ラティチュード・シアター(Latitude Theatre)が手掛けたことも、この作品をより魅力的なものとしたに違いない。才気あふれるシアトルのアーティストたちが描くスウェーデンの物語を、笑いと一体感に満ちた会場で楽しむことができる。同劇団は主に翻訳作品を上演してきたが、今回の挑戦は特に大きな意味を持つものとなった。

マグダレナ(Magdalena)を演じたソフィア・アヤラ(Sofia Ayala)に話を聞くと、リハーサル中はキャスト全員が役に真剣に向き合い、演出家は褒めるときもノーと言うときも、笑いでキャストを包んでいたという。そんな温かな雰囲気の劇団によるイングヴァル! は一味も二味も違う魅力を放っていた。

© Elizabeth Ogle

キャスト勢ぞろい! 繰り広げられるダンスと曲に拍手が鳴り響く

本作品の上演はすでに終了しているが、ラティチュード・シアターの今後の作品に注目したい。時間を見つけてまたほかの演目にも足を運んでみたいと思わせる劇団だ。

西東 円佳
2024年秋からシアトルへ。趣味はワシントン州の野生動物を見たり、自然の中で友人たちとハイキングをすること。大好物のブリトー、PBジェリーサンドイッチ、そしてプラントベース生活で心も体も元気いっぱいの日々をおくる。