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大ヒットミュージカルの映画版、劇場上映始まる
Hamilton (邦題『ハミルトン』)
9月に入り、2本の音楽映画の再上映が始まった。
一つ目は2005年に日本で大ヒットした青春映画『リンダ リンダ リンダ』。学校祭で女子高校生のバンドが、伝説的パンク・ロックバンド「ザ・ブルーハーツ」のカバーを演奏するまでを描いた作品。少女たちがバンド結成に奮闘しながら、それぞれの思いを抱いてひたむきに練習を重ねる姿がすがすがしい。当時29歳だった山下敦弘監督の抑えた演出と、日本映画初出演となったぺ・ドゥナの肩の力が抜けた好演も光る、女子高校生映画の金字塔。公開20周年を記念して4Kデジタルリマスター版が制作され、米国各地で上映が始まった。決して派手とは言えない本作が20年を経ても米国で根強い人気を得ているのは嬉しい限りだ。残念ながら今月のSIFFフィルム・センターでの上映は終わっているが、またの機会を期待したい。
2作目はブロードウェイでメガヒットしたミュージカル「ハミルトン」の映画版。独立戦争でワシントンの副官だったアレクサンダー・ハミルトンを主人公に、憲法制定と連邦政府の樹立を巡る波乱に満ちた生涯を、政治的・個人的事件を交えて描いた歴史ミュージカル。音楽的にはヒップホップ、ラップ、ジャズ、R&B などと伝統的なブロードウェイの曲をブレンドし、親しみやすさを生んで大成功した。さらに、白人だった建国の父たちの多くを有色人種の俳優が演じることで、建国の歴史に現代的な解釈を加えたと評価され、大ヒットにつながった。本作の脚本・作詞・作曲を一手に担ったリン=マニュエル・ミランダの卓抜した才能がブロードウエイの常識を変えたとされ、絶賛の声が絶えない作品。オバマ元大統領が何度も鑑賞し賞賛したことでも知られている。
2015年の初演以来ロングランを続け、2020年にはディズニープラスで映画版が配信され、今回初めて劇場での映画鑑賞が可能になった。シアトルではこの春、新キャストによる舞台上演があったばかりだが、映画版は2016年に上演されたオリジナルキャスト版でミランダ自身が主演を務めている。
斬新なユニークさと力強さを感じさせるミュージカルだが、英語を母国語としない観客が予備知識なしに観ると、ラップの速さなどに戸惑うかもしれない。歴史的背景や人物相関などを少し仕入れていくとさらに楽しめるだろう。ふと仮に「伊藤博文ミュージカル」のラップ版を外国人が予備知識なしに観たら楽しめるかしら? と思ってしまった。
なお、日本で配信されたディズニープラスには日本語字幕があるという。
Hamilton (邦題
『ハミルトン』) 上映時間:2時間40分。シアトルはシネコン等で上映中。
写真クレジット:Walt Disney Studios Motion Pictures
写真クレジット:Walt Disney Studios Motion Pictures










Hamilton (邦題







