コラム コーヒー・カッピングに挑戦!
文:田中美和
ディスタントランドでは、カッピングも体験。カッピングとは、コーヒーの専門的なテイスティング方法で、コーヒー豆の香りや、酸味、あと味など計8項目を評価する。粉状に挽いたコーヒーにお湯を注ぐだけとやり方はシンプルだが、コーヒー業者にとっては、販売できる適切な豆かどうかを確認する、とても大切な工程だ。
カッピングを始める前に、焙煎前の豆の品質をチェックするのは、センサリー・スペシャリストのロミカ・ラタさん。同社でカッピングほか選別作業を担当し、扱うコーヒー豆の全てを虫食いや未成熟の豆などがないか手選別で確認している。たった1粒の虫食い豆で、コーヒーの味が大きく変わってしまうのだとか。
今回はブラジル・ナチュラル、エチオピア・シダモ、コスタリカ・ラ・ソンリサ、コロンビア・アルマ・デルカフェ、スマトラ・マンダリンと、5地域からのコーヒー豆を比較。ブラジル産から順にカッピング開始となった。各コーヒーに5つのカップを使う。カッピングの工程を繰り返し行うことによって、各カップのコーヒーの風味が均一か、品質に問題はないかなどがわかる。各豆に特徴があり、「ナッツの香りがする」、「梅干しっぽい味」など、人によって味や香りの表現方法も違って面白い。初めてカッピングを体験し、豆によって大きな違いがあると気付き、驚いた。今まで知らなかったコーヒーの新たな一面を学ぶことができ、これからコーヒーをより深く楽しめそうだ。
❶ドライ
豆は軽く焙煎してから挽き、粉状のコーヒーをカップに入れ、香りを確かめる。ナッツのような香り、シトラス系のようなスッキリした香りなど、粉だけでも違いがよくわかった。
❷クラスト
コーヒーの粉が入ったカップにお湯を注ぎ、抽出されたばかりのコーヒーのアロマを評価する。カフェで嗅いだことのあるような香りから、今まで嗅いだことのない香りまであり、コーヒーは味だけでなく香りも大事だと学んだ。
❸ブレーク
カップの上澄みをスプーンで避けて、鼻をカップに近付け、コーヒーのアロマを嗅ぐ。この時点でフルーティーな香りなど5種類の豆に大きな違いを感じた。
❹テイスティング
上澄みを取り除いてからコーヒーを実際に口に含む。スプーンでコーヒーをすくい取り、ひと口すする。ラーメンをすするかのように「ズーッ」や「ピューッ」などといった大きな音を立てるのがコツ。音を立てると、より味と香りが感じられるそう。一見簡単そうに見えたが、これがいちばん難しかった。