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ディスタントランド・コーヒー 見学ツアー

ディスタントランド・コーヒー見学ツアー

コスタリカの農場から始まり、現在はレントンを本拠とするディスタントランド・コーヒー(以下ディスタントランド)は伊藤園傘下の会社。パネラ・ブレッド店内のコーヒーやセーフウェイのオーガニック・コーヒーを含む全てのコーヒーなど、さまざまな企業のプライベート・ブランド品製造を請け負っています。本社工場を取材し、そのおいしさの秘密を探りました。

生豆の味を最大限に生かす焙煎

年間1,100万パウンドものコーヒーを生産するレントン工場では、それぞれの生豆の特徴に合わせて焙煎を行っている。「Lighter Is Better(浅いほうが良い)」と、焙煎哲学を教えてくれたのは、コーヒー産業に携わって約20年の生産責任者、クレイグ・ノリーさん。ディスタントランドは、これまでのシアトルのコーヒーの潮流と比べると、かなり浅い焙煎のようだ。「生産地の人々がどれだけ大変な努力をして高品質の豆を生産しているか、よくわかっているからこそ、生豆の味を最大限に生かす焙煎を心がけています。そのため基本は浅めの焙煎が多いのですが、たとえばあるコスタリカ産の豆は、ダークチョコレートのような深煎りでこれまでにない味わいを実現しました」

焙煎の仕上がりを見極める瞬間のクレイグさん陽気な人柄から一転し真剣そのものの顔つきに

クレイグさんは約10年前、ディスタントランドに入社。そこからが「私の本当のコーヒー・ジャーニーの始まり」だったと感じている。ディスタントランドは、コスタリカやコロンビアなどに大規模農場や家族経営の小さな精製処理施設を持ち、レントンとテキサスの自社工場で焙煎している。生産から精製、焙煎、袋詰めまでの全工程を自社で行うため、生豆の段階から高度な品質管理を行えるのが強みだ。また、エチオピアやインドネシアのスマトラなど、自社で農園を持たない地域の場合も、品質基準を満たす契約農家から豆を購入する。「お互いに信頼し合う大切なパートナー。今はルワンダの農家との契約を進めているのですが、ルワンダはコーヒー産業にとってこれからの場所なので、非常に楽しみです」

残念ながら、ディスタントランドのオリジナル・ブランド・コーヒーは東海岸限定品で、まだ西海岸では本格的に販売されていない。シアトルでも気軽に買えるようにするのが目標だと、クレイグさんは最後までコーヒーに対する熱いパッションを見せてくれた。

クレイグさんのおすすめコーヒー・ペアリング
最近はとにかくミディアムローストのグアテマラにハマっています! 華やかな香りとさわやかな酸味が特徴。ドリップで淹れて、パクチーをたっぷりかけたスクランブルエッグの朝食に合わせるのが最高です。

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東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ&メディア・スタディーズ修士。2011年、元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。北米報知社編集部員を経て、現在はフリーランスライターとして活動中。シアトルからフェリー圏内に在住。特技は編み物と社交ダンス。服と写真、コーヒー、本が好き。