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Hurry Curry of Tokyo ハリーカリー・オブ・トーキョー

サウスレイクユニオンのビジネス街に日本風のカレーショップができたということで、カレーに目のないソイソーススタッフが早速味見に行ってきた。

取材・文:小村侑子 写真:越宮照代

ビジネス街のど真ん中にある、スタイリッシュなカレーレストラン

店の外観1-min サウスレイクユニオンは、シアトル有数のビジネスエリア。アマゾン本社を始めとしたオフィスビルが立ち並ぶ中、花札のような図柄の吊り看板が目を引いた。店内に入ると、赤を基調とした中にシンプルな竹製のテーブルが並び、壁には美しいイラストが飾られている。訪れたのは、日本風カレーライスを提供するレストラン、ハリーカリー・オブ・トーキョーだ。
同店の1号店は今から27年前、1989年にロサンゼルスの日本人街でスタートした。「カレーを通して日本の文化を伝えたい」と語るオーナー夫妻のテイ・ヨシタニさんとベッキーさん。シアトル店は今年1月にオープンしたばかり。ヨシタニさんのリタイアを機に出店を決めたという。この場所を選んだのは、活気とエネルギーに満ちあふれ、いつも新しいアイディアが生まれるところだから。アメリカ生まれの日本風カレーという新しく伝統的なアイディアを広めるには、うってつけのロケーションというわけだ。

エバラ食品との共同開発で生まれた、アメリカ生まれの日本風カレー

試食させてもらったのは、トンカツカレー(Pork Cutlet Curry $13)。まず目がいくのは白米の横に供された、わらじのようなトンカツ。これがアメリカサイズなのかと、正直面食らってしまった。しかしひと口食べるとその印象が変わる。衣はからりと揚げられていて、薄切りのポークは柔らかく脂身が少ない。これならいくらでも食べられそうだ。メインのカレーはというと、多様なスパイスがかもし出す独特の辛さの中にふっくらとした甘みを感じる懐かしい味だ。
オーナー夫妻のカレーへの思いは強く、日本人シェフと協力し、半年以上をかけたエバラ食品との共同開発で、21種類のスパイスを使った独自のレシピを生み出したとのこと。正真正銘の日本風カレーだ。ベッキーさんおすすめのホウレン草とマッシュルームのトッピングを試したところ、野菜の味がまろやかな旨みをプラスして絶妙なコンビネーション! 箸ならぬスプーンが止まらなくなってしまった。トッピングは1品1.50ドルで、6種類の中から選べるので、毎回違った味を試せるのも楽しい。
「余ったトンカツは持ち帰って、翌日温め直してカツサンドにするのが最高なのよ。お店で食べるよりおいしくなっちゃうかも?」と、帰り際にベッキーさんがこっそり教えてくれた。

人気のお店-20160610-1-min

豊富なカレーとサイドメニュー

トーキョー・カリー(Tokyo Curry $12)は一風変わったメニューだ。ルーはビーフのひき肉に刻んだニンジンやピーマン、トマト、タマネギがミックスされていて、見た目はミートソースに近い。野菜の酸味の中にスパイスの複雑な味が感じられ、いわゆる日本のカレーとはひと味違う、しかし紛れもなく日本風のカレーなのだ。さらりとした舌触りで後味はすっきり、夏に食べたくなる一品だ。他にも、店の一番人気であるチキンカツカレー(Chicken Cutlet “Katsu” Curry $13)、ベジタリアン向けのカレー(Japanese Curry with no meat $10)など、カレーメニューは全部で10種類。豆腐サラダ(Tofu Salad $7)や唐揚げ(Fried Chicken “Karaage” $7)を始めとしたサイドメニューも豊富。チキンパスタ(Chicken Pasta$15)などの和風パスタも試してみたい一品。どのメニューも日本らしさの中にオリジナルのアレンジが加えられている。
アメリカで生まれた日本の国民食カレーライス。ぜひ味わってみてほしい。

タイさん、ベッキーさんオーナー夫妻
テイさんベッキーさんオーナー夫妻

Hurry Curry of Tokyo
825 Harrison St. Seattle, WA 98109
☎︎206-681-9443
hurrycurryoftokyo-seattle.com
営業時間: 月~土 10am~10pm、日10am~9pm