さまざまな国にルーツを持つ人々が集まるシアトルの街では、世界各国のグルメもよりどりみどり。中東出身者が足繁く通う店がサウスレイクユニオン近くにあると聞き、早速出かけてみました。 取材・文:ジェジュン・ジョン
タヌール/Tanoor
クオリティーが高いとうわさのレバノン料理店、タヌール。パレスチナ出身の知人も故郷の味に近いと絶賛しており、「レバノン料理とはなんぞや?」と、訪れる前から興味津々だった。確実に注文したいのは、この店の名物である温かい前菜。ベジタリアンの前菜盛り合わせ「メゼ・メドレー」が、いちばん人気のメニューだ。ホクホクのパンが付き、お代わり自由となっている。
メゼ・メドレーでは、前菜7種のうちから5種を選べる。アラビア語で「ミートパイ」を意味するファタイヤは、肉の代わりにチーズがたっぷり入ったものと、ホウレンソウと玉ネギをソースで和えたものをチョイス。どちらもカリッと焼かれたパイ生地に包まれ、仕上げにオリーブオイルとパセリが振りかけられている。特にチーズのファタイヤは絶品で、ピザのような生地と、とろーんと伸びるチーズの相性が抜群だった。
また、カリフラワーを揚げたアランビートは、中東でタヒニと呼ばれる濃厚なゴマだれがかけられていて、これだけでおいしい! ハロウミ・フライズは、ハロウミ・チーズを揚げたチーズスティックのような一品。大学芋に似た食感がヤミツキになる。そして、ファラフェル・パティーズは、ひよこ豆のハンバーグ風。肉料理を思わせる流行りのプラントベース・ミートだ。パンによく合い、満足度も高かった。
この5種の前菜だけで十分お腹いっぱいなのだが、メインには「シャワルマ・コンボ」をオーダー。チキン、ビーフ、ラムの3種の肉にご飯と野菜、さらにフムスなどのサイドメニューも選択可能だ。パンがよく進み、友人とふたりでパン5個を平らげた。
前菜、主菜、お代わりしたパンで、実質4、5人前と感じるほどのボリューム。もちろん、全部食べ切れなくても持ち帰りOKだ。何か食べたことのない料理にチャレンジしたい方のほか、ベジタリアンにもおすすめ。ぜひ一度訪れてみて欲しい。
Tanoor
803 Dexter Ave. N., Seattle, WA 98109
営業時間:11am~9pm
☎️206-457-5272
www.tanoor.com