シアトル初の本格たこ焼き屋 昨年 6 月、宇和島屋シアトル店の中にたこ焼きの店、たこ吸盤がオープンした。同店は 2011 年に宇和島屋ベルビュー店にオープンし週末のみの営業だったが、待望のシアトル店では毎日オープンなのが嬉しい。 たこ焼きの醍醐味のひとつは、目の前で焼いてもらえること。同店でも、カウンターの向こうに並んだ懐かしいたこ焼きグリルを前に、店員さんが器用な手さばきで、焼き上がりつつあるたこ焼きをくるくる回しているのを見ていると、ついつい時間を忘れて見とれてしまう。「アメリカで焼きたてのたこ焼きが食べられるなんて」と感慨もひとしお。 「 注文をいただいてから作るので時間は かりますが、焼きたての熱々を召し上がっていただけるので、待っていただく甲斐はあると思います」と、共同経営者のひとりドン・ リーさん。 たこ焼き作りで難しいのは焼き方 ドンさんはバンクーバーのリッチモンドに遊びに行った時にたこ焼き屋の存在を知った。「初めて食べた時からすごくおいしくて、それ以来、行くたびに必ずたこ焼きを食べるほどファンになったんです」。ところがリッチモンドには 5 軒もあるたこ焼き屋がシアトルには 1 軒もない。「たこ焼きを出す店はありましたが、みんな冷凍物。焼きたてのたこ焼きとはまるで味が違います」とドンさんは味 の違いを強調。日本人なら共感する人が多いだろう。 ちょうど友人の後藤慎太郎さん、リンさん夫妻と共同で始められるビジネスを探していたことから、たこ焼き屋に注目。さっそくアジアから業務用のたこ焼きグリルを購入し、ベルビュー店を始めるまでの約 3 カ月、知り合いからレシピを入手したり、インターネットで検索したりしてレシピを工夫し、グリルの使い方のマスターに努めた。「友だちや知り合いを家に呼んで試食してもらったりしました」。焼き方は慎太郎さんがすでに知っていたことも幸いし、それに加えて Y o u T u b e を参考にしたそうだ。 「たこ焼き作りで一番難しいのは焼き方で す。食材についてはどこの店もそれほど違いはないんですが、焼き方の違いで出来上がりが違ってくるんです。YouTube では手元がよく見えるのですごく勉強になりました」。グリルの温度は 475 ℉(246 ℃)と高温のため長く置くと生地が焦げ てしまう。くるくる回すのはたこ焼きの表面を焦がさず、中に熱を通すため。「注文をいただいて生地をグリルに注いでから出来上がるまで、だいたい 8 分かかります」。待つ身にとって8 分は長い。しかし、焼きたてのおいしさを知っていればそれも我慢できるというものだ。 具材は、生地に小麦粉、卵、牛乳、マヨネーズ、中に入れる具は調理済みのタコ、紅ショウガ、桜エビ、青ネギ、天かす、トッピングはトンカツソース、キューピーマヨネーズ、青のり、花カツオ。ホットチリソースの「スリラッチャソース」も人気があるので常備しているそう。 実は同店にはたこ焼きならぬ「チェダ 焼き」というものがある。見た目はたこ焼 きそっくりだが、中に入っているのはタコの代わりにチェダーチーズ。「パーティー でたこ焼きを作っていたら、すごい人気でタコが切れてしまった。それで代わりに何かないかと探したらチーズがあったので、入れてみたらすごく好評だったんです。それでメニューに加えました」。タコが苦手な人にお すすめ。値段はいずれも 6 個入りで $4.93、8個入りで $5.84。 自家製アズキあんのたい焼き たこ焼きとくれば連想ゲーム的に思い出すのがたい焼きだが、シアトル店では焼きたてたい焼き(1 個 $2.74、2 個 $4.74、3 個 $6.25)を出している。自家製アズキあん入りをはじめ、オレオクッキー、アップルフィリング、バニラカスタード、チョコレートカスタードの全 5 種類あるので、組み合わせで注文してもいいかも。 たこ吸盤 宇和島屋シアトル店内 600 5th Ave. S., Seattle, WA 98104 ☎ 206-682-TAKO (8256) www.takokyuuban.com www.facebook.com/TKTakoyakiSeattle ベルビュー店は週末に不定期オープン