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ネクストワ/Nextowa〜人気のお店訪問

昨年12月23日、レドモンドの懐石レストラン、とわの隣に姉妹店がオープン! よりカジュアルな雰囲気の中、鮮度が高い自慢の刺し身を堪能してみませんか。

取材・文:フォーリー由香 写真:ネクストワ提供

ネクストワ/Nextowa

刺し身定食プレミアム($45)

ゆったりとした音楽が流れ、スタッフがDIYで仕上げたというテーブルや壁が味のある落ち着いた店内。予約制で懐石コースを提供する昨年9月開店のとわと異なり、姉妹店のネクストワは、まず入り口から左手に見えるカウンターで注文を済ませ、空いたテーブルに着席して料理が運ばれてくるのを待つシステムだ。

店長兼ヘッド・シェフは、東京出身で海外生活は30年以上になるという佐藤栄一さん。日本では割烹や料亭で修行し、1990年からカナダ・バンクーバーの日本食レストランに勤めた。2006年にシアトル移住後は、アイラブ寿司オン・レイク・ベルビューでシェフとしての経験を積んだ生粋の料理人である。

同店でぜひ試したいのは、九州と東京から空輸で取り寄せる鮮魚を使った刺し身定食。生魚は鮮度次第で、うま味が臭みに変わってしまう。また、魚本来の素材の良さを引き出すには、職人の知識と熟練した技術も必要だ。そんな繊細な取り扱いを要する刺し身を気軽に味わえるのはうれしい限り。

定食には3つの価格帯があり、「スタンダード」はビンチョウマグロ、サーモン、マグロ、ハマチ、真鯛の5種類、その上の「スペシャル」はビンチョウマグロ、サーモン、中トロ、ハマチ、真鯛、ホタテ、シメサバ、甘エビの8種類となっている。最上級の「プレミアム」もおすすめ。ウニまたはイクラ、中トロ、ハマチ、真鯛、甘エビのほか、おまかせの刺し身3種類が出される。いずれも、ご飯と味噌汁、さらに日替わりの手作り副菜3種類が付く、「御膳」と呼べるほどの豪華な内容だ。

左から、刺し身定食スタンダード($25)とスペシャル($35)でそれぞれ出される刺し身の盛り合わせ

そのほか、丼メニューにもこだわりが詰まっている。うな丼はメイン州から生きたままのうなぎを仕入れ、佐藤シェフが自ら調理。蒸したうなぎをたれにくぐらせながら網の上で何度もじっくり焼き上げる。肉厚のうなぎは「ふわとろ」な関東風に調理され、その食感は市販の冷凍品とは雲泥の差。非常に贅沢な一品に仕上がっている。ちなみに、系列店のアイラブ寿司オン・レイク・ベルビューでは、「かりとろ」な関西風うなぎが楽しめるそう。

魚介だけではない。ミズーリ州産牛のロースト・ビーフ丼は、やや厚みのある柔らかいロースト・ビーフが、おろし玉ネギだれ、香ばしいガーリック・チップと相性抜群。北海道・帯広スタイルの黒豚丼は、同じくミズーリ州産の黒豚の上に、バターたっぷりの濃厚カラメルソースがかかる。全ての丼メニューには、味噌汁と日替わりの手作り副菜2種類に加え、アイラブ寿司オン・レイク・ベルビューと共通のニンジン入りドレッシングを用いたサラダまで添えられ、栄養バランスもバッチリ!

▲たれが決め手のロースト・ビーフ丼($28)

名脇役の副菜や味噌汁にも注目したい。取材時の副菜のひとつ、シイタケの煮付けは、程良い軟らかさで、かむたび口の中にうま味がジュワッと広がる。具だくさんの味噌汁は、大根、シイタケ、ニンジン、こんにゃく、厚揚げ、ネギ、ゴボウ、ジャガイモなどが入り、だしはシイタケと昆布をベースに、かつお節でコクをプラス。優しい味わいで、お替わりが欲しくなる。

うな丼は写真の5オンス($30)と、10オンス($55)の2種類 ▶︎

佐藤シェフと二人三脚で同店をもり立てるヘッド・サーバーは、このたびアイラブ寿司オン・レイク・ベルビューのアシスタント・ヘッド・サーバーからの昇格となった逸見香帆さん。日本とは文化的背景が異なるアメリカでは自分主体で判断せず、個々の要望を見極め、寄り添う接客を心がけていると話す。

▲帯広名物を再現した黒豚丼($25)

日本的な技術とサービスによる本格和食を堪能できるネクストワでは、店舗の貸し切り予約も可能。3、4家族が集まるのに最適な広さなので、誕生日など特別なイベント時や、ちょっとしたパーティーに活用してみたい。

▲うなぎは時間をかけて焼くことで、厚い皮まで柔らかくなる(左写真)
同店の顔、佐藤シェフ(右)とヘッド・サーバーの逸見さん
ネクストワ Nextowa
17875 Redmond Way, #150, Redmond, WA 98052
営業時間:11:30am~2pm/4:30pm~8pm 定休:月火
☎︎425-522-4629、info@nextowa.com
www.nextowa.com

フォーリー 由香
2023年からシアトル在住。アウトドアもインドアもいけるが、風呂なしキャンプだけは苦手。バケットリストは、象に乗ること、ノーマン・ロックウェル美術館に行くこと、モアイ像を見ることなど更新中。