フジは春に咲く、花もよし、枝もよし、実もよしで、小品から大作まで幅広く使われます。フジマメと呼ばれる実は、長さや大きさもあり垂れ下がった形が独特です。今回は緑色のフジマメを使います。表情豊かな枝の曲線を見せ、上部は葉を取って軽くした茎を見せてフジマメとの対比を狙います。ただし水揚げが悪いので、水切りした後すぐにアルコールに浸けます。
合わせる花はヒマワリ。最近は八重咲きや、ココア色のものなど色も大きさも豊富です。水切りをした後、生ける長さに切って、切り口に塩をつけると長持ちします。花の強烈な色と形態を生かして、フジマメと合わせて夏のなごりを表現します。
花器:黒四角、二股割れ投げ入れ
材料:フジの枝1本、フジマメ2本、フジの葉少々、ヒマワリ4本(あれば黄色1本・ダーク3本)
生け方:
1. フジの枝を、器の後ろコーナーの壁に沿って右側に張り出させ、上部の葉を取る。
2. 短めのフジマメを、後ろの口元から左側に出し、垂れ下がったマメが床に着かない高さに入れる。
3. 残りのフジマメを真ん中に配し、マメが器の左端にくるように入れ、高さを出す。
4. ダークなヒマワリを短いものから順に、1本目は前、2本目を少し重ねて後ろに高く配し、もう1本を後ろに入れて奥行きと高さを出す。
5. 黄色のヒマワリを一番高くし、少し左向きに挿して横顔を見せる。
6. フジの枝の口元から葉を3、4枚出して花器の口元を隠す。
7. 後ろの口元から、葉を2、4枚出して完成。
[花ごよみ]