初夏に白い花が咲き、その後房状の実が垂れ下がって付きます。初めは緑色の実が秋が深まるにつれて黒褐色に熟します。その独特な色と姿を生かして生けます。紅葉した葉は美しく趣きがありますが、すぐに巻いてしまうので、今回は実のみを使用します。茎はかなり太いので、あらわに見せないように生けていきます。ただ、太い割には中空で折れやすいので丁寧に扱ってください。
多くの花材と調和し、とても風情のあるヨウシュヤマゴボウですが、熟した実がつぶれると紫色の汁が出て、衣服などに付くと取れないので要注意。ノースウエストでは根付きがよく、落ちた実から増殖するのでポットでの栽培がよいかもしれません。今回用いた枝ものは、緑がとても鮮やかでヤマゴボウと合うので対比させて使ったのですが、残念ながら名前がわかりません。ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい。
花器:2色ガラス花器、投げ入れ
花材:ヨウシュヤマゴボウ4本、常緑樹4本、添え木1本
生け方:
1. まず、添え木の先を10㎝ほどはさみで割り、同じように切り口の先10㎝ほどをはさみで割った一番太くて長い常緑樹の枝とかませて、器に入れて右15度前に立たせる。
2. 常緑樹を左下から右上にかけて三日月形になるように、左側に1本、右側に1本、短めの1本を後ろに挿し、脇や後ろにも挿していく。
3. 3本のヨウシュヤマゴボウを右側に垂れるように挿す。この時、茎を長めに切り、器の中の壁に当てて、角度を決める。
4. 4本目のヨウシュヤマゴボウを左上に長めに挿し、房を上向きにする。
5. 最後に、ヨウシュヤマゴボウが隠れて見えにくい箇所は常緑樹をはさみで切って、ヨウシュヤマゴボウの房がよく見えるようにして完成。