照りつける太陽が眩しい季節です。こんな時には涼やかにすっきりと葉物をメインに生けてみましょう。
この時期、アヤメやショウブの葉はすくすくと伸びて1メートル近くになります。花が終わったアヤメの葉を集合させて剣山に立てていきます。アクセントに白色のトラノオを配します。トラノオは、茎の先に小さな花が多数集まって穂になって付き、その姿が虎の尻尾のように垂れているところから、この名がついた植物です。水揚げも花もちもよいほうです。
茎はまっすぐなものが多く、矯めがききません(曲げられない)。今回はすこし曲がっている赤い茎を利用しました。葉がたくさん付いているので通常は適度に減らしますが、今回は線を生かすためすべての葉を取り除きます。
ブルーのハイドランジアの花のみを使って、足元の剣山を少し隠すように生けます。花は必ず水切りをして下さい。花を多く挿しすぎないように注意しましょう。剣山は花器の真ん中ではなく少し右側に寄せて置き、水盤には水をいっぱい張って水も見せるようにすることが、涼やかな生けばなのコツです。
花材:
- アヤメの葉(1組4~5枚のものを束で)10本
- トラノオ3本
- ハイドランジア(花のみ)3本
花器:
- グリーンガラス花器
- 剣山2個
生け方
- 剣山の中央前から後にかけて、アヤメの葉が直径12~13cmの円形を描くように挿す。その時、例えば1組5枚の葉であれば、2枚と3枚に分けたりして少しずつ挿しながら、円形になるように調節する。
- トラノオを1本、アヤメの葉の後ろから右側前に、くねった茎の部分が覗くように挿す。
- もう1本のトラノオを、左側の葉の後ろから前に出し葉の中央から花穂が覗くようにする。
- 残りのトラノオを短く切り、足元の葉の左から前45度に挿す。
- ハイドランジアの茎を切り落として花のみにし、アヤメの足元を囲むように挿し、剣山を隠して完成。
[花ごよみ]