バラの原種のひとつで、初夏から夏にかけて枝先に濃いピンクの花を咲かせます。郊外に行くと、森の入り口やトレイルなどでよく見られます。ノースウエストのノバラは日本の「ハマナス」に一番近いのではないでしょうか。ハマナスは日本では砂浜に生え、果実がナスに似ていることから「浜ナス」と呼ばれている植物。ちょうど今頃の季節、花が終わった後でローズヒップと呼ばれる赤く熟した艶のある実が成り、とても豪華です。実は球体で葉はそれほど硬くありません。枝の先にとげがたくさんあるので注意してください。水揚げはあまりよくないので、しっかり水切りをします。今回は、実を少し垂らして下からの目線を考えながら生け、たわわな赤い実と紅葉で、秋らしさを強調して生けます。
花器:
大砲の弾を再利用した投げ入れ
花材:
ノバラ(実だけの枝 長・中・短 計3本、葉もの 7本)、一文字、添え木
生け方:
- 投げ入れの器の中に1本の枝(一文字)を横に中央において、花器の口元を二分する。
- はさみで添え木の片方に約5㎝の割りを入れる。実ものの枝(中)を、添え木の割りに挟んで器の中に入れ、左やや前方にりりしくしっかり立てる。
- 実ものの枝(長)を少し曲げて、左前方60度から70度に垂らして挿す。
- 中央に実ものの枝(短)を挿し、まっすぐ前に垂らす。
- 4の実ものの口元の辺りに葉ものを2本重ねて挿し、器の口元を隠す。
- 葉ものを右側45度に挿し、その上にさらに短めの葉ものを入れて緑を濃くする。
- 左側に短い葉ものを挿し、脇を濃くする。
- 奥行きを出すため葉もの2本を真後ろ40度に倒して挿し、完成。
※生け方を見たい方は、YOUTUBEで「花ごよみ、10月、2016」のキーワードで検索してご覧ください。
[花ごよみ]