夏花壇の花として親しまれているヒャクニチソウは、花が変色せず長もちをすることからその名がついています。花の形も一重や八重、大輪から小輪、ポンポン咲き、ダリア咲きなど変化に富んでいるので、種類によっていろいろな雰囲気を作ることができます。
豊富な色と明るいイメージを生かして生けましょう。みずみずしい緑色の葉もきれいですが、今回は花を見せるために、葉は整理しました。茎は空中で折れやすいので、ていねいに扱ってください。水揚げもよいほうです。
合わせるのはシマフトイ。茎の先に赤褐色の穂をつけ、夏の間に伸びて長いものは2mにもなります。茎の中は海綿体のやわらかい組織になっていて、ワイヤーを通すことで自在に曲げることができます。今回はあえて穂をとり、シャープな曲線のみにしました。
花材:ヒャクニチソウ 9本、シマフトイ 4本
花器:白色四角形花器
生け方:
- 枝で十文字をつくり、ワイヤーで留めて花器の口元にはめ込み、花がまとまりやすいように口元を4つに割る。後方2つの口のみ使って生けていく。
- 短めのヒャクニチソウ6本を、(後方の口の)前方に円形を描くように挿して塊にする。
- 少し長めの黄色のヒャクニチソウを、②の塊から出すように挿して奥行きをつける。
- ③より長めのピンク色のヒャクニチソウを左側から45度に挿す。
- 一番長い黄色のヒャクニチソウ(50㎝)を前方左15度に傾けて挿す。
- シマフトイ4本にワイヤーを差し込み、V字を作っておく。後方の右側からフトイを上向きに挿し、それぞれの向きが重ならないように方向性を出して完成。
*9月16日、17日の両日、秋のいけばな体験クラスを行います。電話でお申し込みください。
[花ごよみ]