オリジナルの人間学「13導」に基づき、あなたのお役割、さまざまなお悩みへの解決法、うんちくなどなど、お役割鑑定士のみやこさんが語っていきます!
人間の資質は、先祖から組み込まれた「記憶伝達」によって形成されている? ただし、それをいかに生かすかは、自分次第かもしれません。
ついに東京へ引っ越しました! 実際に住んでみて感じたコトをひと言で表すと、海外に来た気分? 前回のコラムに書いたように「シアトルに近づいた」のも本当です。海外に住む方から「会いましょう」と連絡をもらっても、ビックリするほど簡単に会えるようになりました。
区役所に行き、証明書発行をお願いしたら無料だとか。東京都って税金でこなせるんだ、と驚き! 銀座のユニクロに行けば外国人ばかり、日本人の買い物客は皆無で、対応するレジ係の語学力にため息が出ます。役所も店も接客がとても丁寧で、「やっぱり東京ってスゴい」と改めて納得したのでした。
新居での初めての夜は、窓から見えるオレンジ色を放つ東京タワーに魂が震えました。頭で考えるのと違って、心が締め付けられる感動。キュンとジワジワが混ざった感じで、なんだか懐かしい。1964年の五輪の頃、この東京タワーに日本人が願った思いまで勝手に背負ってドキドキしているワタシ。待て待て、そんなに東京タワーに思い入れがあったか? 記憶をたどってみても、もしかしたら修学旅行で来たかもしれないという程度。そう言えば、結婚・解散した元夫と、策略見合いデートという形で訪れたっけ……。良い思い出が全く浮かばない(笑)。
実はこれ、カラクリがあるのです。人には、先祖からもらう遺伝子情報の中に含まれているのか、「記憶伝達」というようなモノが存在するらしい。その言葉通りの意味で、先祖が経験したコトをそのまま引き継ぐのだそう。たとえば、日本の象徴、天皇のお仕事を言える人はどれだけいるだろう? ましてや、子どもともなれば関連のある学校で学ばない限り、いや学んでいたとしても、なかなか理解が及ばないはず。天皇に拝謁して心震える、その感覚は受け継がれてきた記憶によるもの。ワタシも若い頃、偶然にも現在の上皇ご夫妻と遭遇し、その一瞬で言葉にし難い感覚に陥ったものです。
これを知った時、なるほどと思ったのが、国民性というものは、ただ習慣によって作られているわけではなかったというコト。習性とは、先祖からのいただきものと考えられるのかもしれない。面白いけれど、ちょっと待てよ、そうなるとワタシの過去の記憶が娘たちや孫にも受け継がれていく? ワタシの経験が、後世にとっても大切なものになるわけなのですよ。これまで良い経験をしてきたか? なんて考え始めて、親の責務みたいに背負い込むのもどうかと思うが。そう、人生はキラキラばかりしていないからこそ、人は美しいものを感じるコトができる。
先日、放送作家であり小説家の樋口卓治氏による『危険なふたり』という小説を読みました。内田裕也さんと樹木希林さんが登場するのですが、その夫婦の形における表現の仕方が素晴らしかったです。その小説の中で心に刺さったのが「人生を面白がってみる」という言葉。一見不幸な出来事だって、角度を変えて面白がればいいんだと、気付かせてくれる傑作でありました。
きっと「面白い」は、幸せを増強はさせても、減らすコトは決してない。そうやって生きれば、どんな経験もハッピーなものへと変換されるのだろう。ワタシはそう思います。お役割鑑定士のうんちくでした!