今から考える日本への永住帰国
現在はアメリカに住んでいるけれど、いつかは日本に戻りたい! そんなあなたに役立つ知識を、日本帰国支援のエキスパートが提供。
日本への帰国計画が決まったら、移住のための引っ越し準備をしなければなりません。前回は米国籍取得者向けに、帰国前に必要とされる在留資格申請について説明しましたが、今回はその他の手続きを、注意しておきたい点も含めいくつか紹介します。
持ち家がある場合、住居の処分は?
持ち家のある方は、売却、賃貸、保有(将来のため)の選択肢が考えられます。シアトルを始め、米国西海岸では不動産市場が活況のようですので、売却の場合はあまり時間をかけずとも処分できるはずです。売却や賃貸を選んだ場合、内外装の状態によって契約時の条件(契約額)が左右されます。時間に余裕があれば、不動産エージェントほか専門家のアドバイスを受けて、良い条件で処分できるように工夫してみましょう。
また、売却で得たお金の日本への送金、売却によるキャピタルゲイン、賃貸する場合の今後の不動産所得等については、日米の確定申告の対象となる可能性があります。米国側の税務コンサルタントと相談し、帰国後も継続してフォローしてもらえるよう手配しておきましょう。
金融機関での手続き
銀行や証券会社の口座、個人年金プランのIRA、Annuity、その他の金融商品を持つ場合、各金融機関や代理店に海外(日本)移住の旨を伝えましょう。金融機関では原則、非居住者の口座は開設しないことになっていますが、すでにある口座については残しておいても問題のないケースが多いようです。しかし、細かな部分では各金融機関によって異なるため、いつまで同じ条件で継続できるかも含めて、取り扱いについて事前に確認すると良いでしょう。また、金融商品は日米で金利差があり、一般的に米国のほうが高いので、米国側へ残しておくと運用率も上がりそうです。ただし、資産運用にはリスクが伴います。金融機関やファイナンシャルアドバイザーなど専門家のアドバイスを受けるとより安心です。
年金を受け取るには
年金には米国公的年金(Social Security)と、各就労先所属団体や公務員、退役軍人などのその他の年金があります。前述の金融機関同様、米国外に転出した場合の取り扱いについて事前に確認しておきましょう。年金によっては国外居住者向けに年金が支払われない場合があります。また、年金の支払い方法が小切手限定など、日本での換金が難しくなるケースも考えられます。
米国公的年金については、登録先住所や日本の銀行口座(円建て入金)への振り込み先の変更が必要ですが、日本帰国後に手続きできます。窓口は在日米国大使館の年金課になります。ただし銀行口座変更の際、米国の銀行口座を解約する場合はタイミングに注意してください。年金の口座変更手続きには2、3カ月ほど時間がかかるのですが、日本の口座への入金を確認する前に米国の口座を解約すると、口座変更手続き完了前の分の年金振り込みができなくなってしまいます。さらにそのまま放置しておくと失効するため、年金がもらえません。
引っ越し荷物
米国で使用していた家財道具などを日本に持ち込む場合、引っ越し業者に運搬を依頼します。日系業者を選べば気軽に日本語で相談できます。船便による運搬が一般的ですが、費用、搬出から受け取りまでの所要日数、受け取り時の必要書類などは業者や条件により異なるため、事前に確認しておきましょう。
米国市民のケースでは、日本での荷物受け取り時に在留カード等が必要となります。日本国籍の放棄手続きをせずに在留資格を取得していない米国市民は、荷物の受け取りができない場合があります。
ペットとの帰国
ペットについては引っ越し業者や航空会社、かかりつけの動物病院、日本の動物検疫所、代行業者などから手続きに関する情報が得られます。それとは別に、ペットの健康面を考慮することも忘れてはなりません。
ペットは航空機による輸送となりますが、ケージに入った状態で長時間貨物室に預けられます(条件による)。大変なストレスがかかり、健康への影響が憂慮されます。できれば事前に専門家へ相談し、場合によっては米国で里親を探すことも選択肢のひとつとして検討してみましょう。
日程:7月15日(木)5pm~6:30pm
問い合わせ:info@life-mates.jp
申し込み・詳細:https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_VYUjQevCRziuQgeG3Uvwig